【487】赤武 純米吟醸 無濾過生27BY
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
えー東洋美人はすでにしこたま飲んでお腹いっぱいなので。
新しいお酒を開けて並行して飲んでいきたいと思います。
2016年1発目のお酒は赤武です。
ちょっとこのお酒については情報量多め、かつ思うとこあり。
なので詳しいお話は飲んでから。
まずは先入観をできるだけ排してお酒から。
いつもとは違う展開で行きます。
とりあえずスペックだけ。
岩手のお酒で吟ぎんが50の純吟、たしか中取り直汲みだったと思います。
頂きます。
あ~なるほど。
これはちょっと手のひら返ししないといけないな(笑
軽くガス感ありですね。
セメダイン系にすこしメロンやリンゴが混ざったような香り。
いや、マスカット系だな。
この時期のムロゲンにしては柔らかいタッチでしょうか。
むしろ少しぶよぶよしてるくらいです。
さすがに多少のアタック感はあります。
甘みはやや控えめですが、ぽっちゃりとしたイメージを受ける甘旨み。
さらりとした軽快な酸がそれを包んで、じゅわっとガスに乗ります。
そこで前述の香りが膨らんでするりと流れます。
うん、系統としては大好きなタイプですね。
ジューシー系です。
かなり良いと思います。
もっとはっきり甘ければベストですね。
雑味は少なめでよし。
旨みはまだどこか足りないというか、質感として粉っぽい、締まりすぎ?なような感じがあります。
また甘さが出てない分、どこか焦点が合わないように感じてしまいます。
ちょっと痩せているように感じてしまいますね。
でも食を意識してこの程度に合わせているとしたら、まさに狙い通りかな。
いい感じの甘じょっぱさ?があります。
あえて僕の好きな銘柄に例えれば、うーん。
月山、というか智則をややダウングレードした感じ。
後述することを踏まえれば、今後非常に楽しみな蔵の一つですね。
そして。
だんだん開いてきました。
うん、これは文句なしに旨いですね。
違うバリエーションも飲みたい。
クリーミィだけど捌けよし。
ほんとにもうちょい甘ければ最高です。
こりゃすぐに人気銘柄ですな。
鍋島、而今、風の森なんかと通じるニュアンスが散見されます。
こりゃごめんなさいしなきゃなあ。
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さて、赤武酒造さんですがメインの銘柄は浜娘。
もともと岩手県の大槌町にありましたが先の震災で壊滅。
ところがすぐに盛岡市に復活蔵をたて今に至ります。
そんななか26BYに登場したのがこの赤武シリーズです。
造りを担当するのは6代目の蔵元杜氏、古舘龍之介氏。
これが例によって農大卒の、それも22歳で2014年春に帰蔵したばかり!
浜娘ブランドが健在とはいえ、大々的にほぼ大卒新人に造りをまかせるとは5代目も思い切ったものです。
なお6代目の古舘龍之介氏は大学4年生の時に全国利き酒大会学生の部に農大代表で出場し優勝されたそうです。
ちなみに学生の部はこの年に創設されたものです。
で。
なにが気に入らなかったというと。
僕がそれなりに信頼している都内有名酒屋に行くとこう書いてあるわけです。
それも複数です。
『若き天才杜氏の~』
『酒造りの申し子が~』
お前ギャグだろ、笑かすなと!
大卒1年目の新人が造った酒をそこまで持ち上げます?
異常でしょう、ひと造りめ(27BYで二造り目)ですよ。
いやいやいや、酒造りの申し子ってすごいキャッチコピーですよね。
蔵元が主導したのか、酒屋が書いたのか、卸し的な会社が造ったのか。
そんなこと言っていいのはせいぜい十四代の高木さんレベルか、それこそ雪の茅舎の高橋さんやら正雪の山影さんクラスの超ベテランでしょ。
創設初年度の利き酒大会学生の部で優勝(いやそら農大醸造学科代表が優勝しますわw)した程度で。
醪の管理はまた別でしょ、ノウハウもいるし。
いくらなんでもやりすぎでしょ。
さらにショックだったのは、それに飛び乗った酒屋がめちゃくちゃ多かった。
おそらく初年度なんで、蔵元は都内の酒屋まわったんでしょう。
昨年でいえば同じような蔵に花の香がありました。
それのそっこー乗ってPOPで天才だなんだと煽る蔵が片手に余るんだからそりゃショック。
もう青田買いじゃないですか、客への責任感なんてあったもんじゃない。
そりゃ而今やら花陽浴やらスター銘柄扱えば商売的に旨いってのは分かるんですよ。
ただそれでスター銘柄ほしさに青田買い&プロモーション先行したらダメでしょ。
地酒業界は大手とは違うんだから、そうなったらおしまいですよ。
ただでさえそゆの増えてんだから。
写楽だって○せがわの仕掛けでしょ。
ぶっちゃけ飛露喜だってタイミングが良かっただけでとても十四代と同格には思えないし而今にも劣ると思う。
売れるの大事ってのは商売人としては分かるけど、地酒はちと違うやろ。
もうちょい我慢して序盤は品質本位でいってや、とおもっていたのですが。
ですが……。
はい、普通にウマカッタデス。
来年も飲みます、ごめんなさい。
本当にすいませんでした。
ただ今回のことで僕個人の中で株をあげたのは地酒屋こだまさん。
あそこはほんと無名蔵もってくるし、それも店主個人として数年の付き合いがあって取引、みたいなケースが多い。
まあ考えは人それぞれでしょうが、ひとつ理想的な酒屋としての完成形なのかなあ、なんておもったり。
正月からくだまいてごめんね!
でも新年ということでまた今年は内容も充実できるよう頑張ります!
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2日目。
んん~これは美味い、お見事です。
ほんとにもうちょっとだけ甘ければカンペキ。
すばらしいジューシーさ。
バニラのような含み香もあります。
やはり月山や風の森、鍋島なんかに近いのかなあという気がします。
ガス感があって、甘ウマジューシーなタイプ。
酸もあってさっぱり飲める。
質感もカドなく素晴らしい出来。
これはどこの酒屋も飛びつくのがわかるなあというお酒でした。