【681】十四代 純米吟醸 槽垂れ おりからみ28BY

no.681

30になったことですし(全く関係ないけど)、ここらで十四代の復習でも。
前も言いましたが、十四代は基本お店飲み。
双虹龍月とか七垂二十貫なんかのほうが飲んだこと多くて。
ミドルクラスをあまり飲んだ頃が無いんですよね。

で新酒の時期ってことで、基本は火入れの多い蔵元ですが、生の酒を2本手配しております。
今回の槽垂れおりと、角新大吟の2本です。

まずは槽垂れのおりからみ。
おりがらみじゃなくて、おりからみなのは蔵元のこだわりなのでしょうか?
十四代、現行のラインナップでは唯一のおりがらみだと思います。
まあそれほどラインナップを正確に把握しているわけでもないですが。

おりの絡んでないバージョンもあります。
いづれも本生原酒です。
純米吟醸となっておりますが磨きは50、ただしお米は不明です。



20170205_014940~01


おりがらみといって極々うっすら。
普通の無濾過生なんだけどちょっとおりからんでっかも?くらいのレベルですね。
みるからにとろっと、糖度高そうな感じ。

ああ、うまい。
入手困難なことを考えなければ、やっぱり美味しいですね。
これも4500円くらいするのでミドルクラスというにはやや高めですが。
それでもまあ普通に買えたらみんなこれ買っちゃうよね。

香りはイチゴやメロン、マスカットなどでしょうか。
過不足ない、非常によくできたカプエチ系です。
あえて難癖つければ高級感はあまりないですが。
結局それはこの時期にフォーカスしてるだけで、ボリューム搾ってtuningすれば熟成向けの酒も造れるでしょうね。
香りも甘みも。
とろりと滑らかな口当たりから、十四代らしい蕩けるような甘さ。
そこにちゃんと酸が溶けて、味わいとしても綺麗の溶けて流れていく。
おだやかなキラキラ感。
ああーやっぱ派手じゃないけどミネラル感があるんだ。

酸は新酒本生の分、すこしキュッと溌剌としてるかなあという感じもあるんだけれど。
とはいえ程度次元が全く他のお酒とは違うので。
その分甘みのボリューム感も2割増しで、チャーミングだしね。
新酒に求められるインパクト、わかりやすさと楽しさに満ちています。
このあたりでははちょとバナナバニラもあるかね。


甘み、酸のラインに乗って香りとともに、味わいが膨らむ。
ミルキーさ、あとはまだちょっと若いようなニュアンスもありますね。
でもちょっと若いしゃきっとさがイチゴっぽい香り、酸と相性抜群。

甘み旨みは磨き50の新酒でそれも本生なので、火入れのハイクラスよりややポチャっとした感じで。
でもこの適度のサシの入った、ほどよい肉付きの女性は、まさに好み。
味わいの情報量としては多く、上のクラスよりも苦みも感じる。
まあこの程度は極めて良好なアクセント程度。
むしろ個人的にはプラス要素になっている。


しかしまあ旨いな。
香りの出方なんか磨き35のアル添大吟みたい。
ほんのり硬く苦いようなのがあるんだけど、それが味わいが膨らんで収束していく中で、すごく気持ちよい。
ガスもないし、特別ミネラル感のあるお酒ではないけど、気持ちの良い口どけ感。
やっぱ絶妙なミネラル感ってことになるんだろうな。
蕩ける甘みに隠れてね。
酸も絶妙なんだよね。

ウルトラクリアーとかエレガントではないかもしれないが、僅かな雑味アタックが舌に気持ち良い。
とはいえフィニッシュは優しくスムース。
甘旨みとマスカットのような余韻を残します。


うーん、パーフェクト。
いまだに十四代だけが別格の人気を保ち続けている理由が飲めばわかります。
正直そこまで期待もしてなかったし、むしろ新酒ってことで味乗りの不足とか心配していたんだけど。
そんな次元の低い心配をしていた自分が恥ずかしい。

1月にこのクラスの味わいを出してこれる蔵はないと思います。
去年やった愛山の純吟より良いです。
まあわかりやすいですね。
もう杯の進みがすべてで、二日酔いを覚悟すればいくらでも飲めますね。
一晩中、一升のむって人は飽きるかもしれないけど(笑)


うーん、他の系統ならともかく、この系統でこの酒に勝負できる酒が見当たらないなあ。
けっきょくこれだけの甘みを出しつつ、細部まで詰められる蔵は他にない。
これもだから、粗いとか、あるいは痩せてるとかないんだよね。
それをどの酒でもきちっと仕上げてくる。
やっぱり天才ですねえ。


2日目。
うん、今日もすこぶる美味。
ミリ単位でひと周り綺麗になったかな?というところでしょうか。
その分かえってメロン系の香りとバランスが良くなっているくらい。
いや、レマコム出しの冷えすぎなだけで変わらないか。
むしろ纏まっておる。

この香りはややシロッピーでキャッチ―過ぎるかもしれませんが。
だからこれを1本2万3万のプレミア酒、唯一無二の存在……と構えすぎると、がっかりするかもね。
特にいろいろな日本酒を飲みなれている人は。
価格が違うから当たり前だけど、世界観とか作品性でいえばそら松の司ブラックアゾラに軍配があるよ。
ただしやっぱり、ドストライク、ど真ん中、ド本命。
高木顕統氏が蔵に戻ったのが1993年ですか。
ですののでもう25年近くたっているわけですが。
いまだに今の日本酒のトレンドの原点、本命であり、その路線のトップですね。
あとは大吟じゃなくても、本丸から徹底してこの路線、というのが大きかったのかな。

まあこれに+軽くガスがあれば最高ですよね、個人的に、普段飲みとしては。
而今はやはりこの系譜です、最近は少々薄くなってしまいましたが。
あくまでこの路線にガスがある程度なので、変に自分を出して路頭に迷うと劣化してくだけだよ。
好きだけど、大西さんはそこまで確固たるものがある人ではない。
その意味でいえば仙介なんかは而今より割り切ってる。
あとはニュアンスは違うけど風の森か。
あそこも手を広げてきているのが心配だけど。
あくまで絞ったほうが良いよ。
及ばないながら忠実に近いとこ寄せてくんであれば川中島幻舞とかか。

あとはもう別ジャンルで、甘くないけどモダンなお酒。
澤屋まつもととか、残草蓬莱とか。
極端に言えばもっともっと酸を高めていってもいい。
あとは生もと系はチャンスあるかもしれないですね。
新政は頭でっかち縛りプレイに行き過ぎたとこがあるので、自在さがあるのは仙禽かな。
それを少しクラシックにしたところでいえば菊鷹とか、あるいは白老あたりにも期待しているんだけれど。


戻ります。
それでも甘みは十分。
極上な甘みが、流麗な酸の流れでするりと流れます。
程よく内奥から旨みを感じさせつつ。
甘くてもペチャっと潰れない、軽すぎないんだよね。
ここを勘違いしている蔵は結構ある、技術的に難しいのかもしれないけど。
ミディアムな重み、飲み応えがあって。
鮮烈ではないですが、ちゃんとミネラル感、口どけ、縦方向の奥行き。

蕩ける甘さを犠牲にしても、これの酸を高めてキラキラ感をアップしてくって方向性はアリかな。
難しいと思うけどねえ。
とにかく蕩ける濃い甘み路線では、これを超える酒は出ないよ。
もうそれは物理的なレベルで不可能といっていい。
それくらい極まっている。
高木さんが凄いのは、ブレが少ない。
それで2000石造ってるってところ。
2000石造ってアベレージでこの味を超える蔵元は無いよ。
つかアベレージなら7割超える蔵もないだろう。
2000石造っている地酒蔵自体そこまで多くないし。

たとえば大西さんはせいぜい600か700石程度だと思うけど甘くなったり、綺麗になったりする。
それがイイとこでもあり悪いとこでもあるんだけど。
いや言っとくけどおれは而今好きだよ。
特に何もないのに蔵元眺めに名張行くくらいには(笑)

長くなりましたがとにかく旨い。
つかその他の十四代とくらべてもやはり人気のお酒。
明快な美味しさです。
あーやっぱミネラルあるわ。


3日目。
わずかにダレてきたかな?とも思う瞬間もありますが。
それでもやはり飲ませてくれます。

温度やタイミングにより表情を変えます。
やはり基本冷やしすぎ厳禁、注いで少し時間がたつとポテンシャルを見せます。
ハマると圧巻の甘味の密度と、溶け感を見せます。
コクがあって深くて、酸と旨みが薄皮の下で支える様な。

南国も感じる様な明るいトーンの香り、そして酸。
目立ちはしないですがそれなりの数値はあるでしょうね。
ミルキーと、ちゃんとほろっと来るミネラルか適度な苦みか。
基本は滑らかですが、やはり生詰の十四代に比べると収斂性がありますね。
とくに底の部分なのでおりの影響もあるかな。
雑味といえば雑味ですし、これが良いんだといえばいい。
甘すぎて飽きる、クドいという人もいるとは思いますが、この路線では完成品でしょう。

しかし今日なんか見てもかなり濃くてリッチですねえ。
生詰とかかなり違う。
やはりこの蔵は基本設計は生詰の蔵ですね。
最近はベースがムロゲンって蔵も多いけど。
まあその意味でいえばやはり店で少し飲むのが映える酒か。
1升飲めるのは贅沢だけどね。
大吟醸角新も楽しみです。


4日目。
先に飲んだ松の司がとんでもなかったですが。
経過観察のために1合ほど残しておいたので今日明日くらいはレポートを。
やはり少しずつ甘みは飛んでいます。それでもまだまだ大丈夫。
旨みの部分か、少しナッティな雰囲気。
流石にこのお酒も違いますね。
普通ならぺらっぺらに軽く味が飛ぶところですが。
まだ腰を残してます。
でもやはり十四代ははやく飲むに越したことはないですね。
これは火入れでもそうだと思います。

























Theme: 日本酒
Genre: グルメ
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Comment

  • サンジュリアン
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十四代

日誌係さん

毎度です。
また先日買った十四代がズバリ被りました。
係さん絶賛されていた長陽福娘 山田純米by28の一升瓶を一週間掛けて飲みましたが、最後までダレる事なく最高でした。前後してby27も飲みましたがby28の方が自分の好みどストライクでした。これなら山田純米吟醸直汲みも良いだろうと思い2月初めにリリースされたので即4本注文しました。

十四代は入手困難な酒なので複数本は買えませんが、偶然にも先週同じものを入手済みです。
今まで十四代は生詰の加水品しか飲んでないのですが何れも外れがないのは流石だと思います。ただ入手困難なのでもう卒業かなと思っていたところです。が、しかし原酒生は期待大です。
その意味でこのレポ読んで益々 飲むのが楽しみになりました。

  • 日誌係
  • URL
Re: サンジュリアンさん


コメントありがとうございます。

あ~よかった、長陽が大丈夫だったことに安心しました!
これでイマイチだったら信用問題になるのでほっとしましたよ。
1週間かけても最後まで良かったというのば素晴らしいですね。
自分は造りに繊細さがあって、細部まで詰められているような感じがしました。
まだまだこれからも向上していきそうなお酒です。


なんと十四代で被りましたか。
おっしゃる通り入手困難なのが問題ですが、味わいは流石ですね~。
生詰よりも甘みも香りもインパクトがあります。
3日目くらいになるとちょっとダレて来たか?とも思うのであまり時間をかけないほうが良いかもしれませんね。
ぜひぜひサンジュリアンさんの感想も聞いてみたいものです。



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