【772】花巴 百年杉 木桶仕込み 2015


奈良県、吉野、花巴です。

新政が木桶を使いだして注目されるようになりましたが、こっちが本家です。
高級ブランド材の吉野杉の本場の蔵元。
2010年から、60年ぶりに吉野杉の木桶を用いた仕込みを復活させたとのことで、その経緯は蔵元WEBでも詳細に記載があります。
ちなみに新政も吉野杉の木桶つかってます。
つかおそらく同じところ製作ですね。


木桶に限らず、木槽しぼりとか、あるいは樽酒など。
木香が嫌いな方も結構いるみたいで、麹室の新設なんかの時も話題になりますが、僕は割と好きなんですよね。
むしろ嫌いな方が多いというのが意外なくらい。

※ちなみに木香とは、厳密には木の香りではなくて、木の香りに似たアセトアルデヒト臭のことです。
これは発酵不良や、発酵途中のもろみを上槽した場合に出やすいとされるオフフレーバーで、今回のような木材を用いた着香(というとまた語弊がありますが)されたものとは違います。
その上であえてわかりやすいように、本ブログでは木材由来と思われるような香りを木香と表現させていただいております。


スペック的には、奈良県産山田錦60の、山廃純米で、さらに酵母無添加とのこと。
毎年限定で生も出すみたいですが、これは火入れで1年熟成になってます。
ちなみに花巴には吉野樽丸という雄町70の同じく酵母無添加山廃があり、飲んだことありますが結構よかったです。
木の香りはかなりハッキリでしたね。



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んーやはり立ち香からして杉の香り。
樽酒を飲んだことがある方がいらっしゃるなら、まさにそのニュアンスがあると思っていただければ。
さらに強烈な酸のニュアンスが白ワイン系。
ちょっと木戸泉のAFSシリーズなんかに近いとこありますね。


そのうえ熟成酒なので味わいはかなり尖っています。
とろりと、ややねっとりとも感じられるような口当たり。
熟成によりこなれているか、含んだ感じはそこまで木の香り全開というわけではありません。
もちろんありますけどね。

花巴らしく、酸がはっきりと。
そこに木香が絡むのと、軽くタンニンのような渋さ。
さらにスッとアルコールというか、やや辛い様な香りの抜け方。
ちょっと蜂蜜っぽいニュアンスもあるかなあ。

それだけ聞くとイマイチっぽいですが、そこに熟成の複雑さが加わってきます。
強い熟成香、いやなヒネ香は全くなく、きれいに熟成しており、まだ若いくらい。
これまでの経験からのなんとなくですが、木桶仕込み、木槽しぼりなど、木由来の香りは熟成の時にうまくまとめてくれる感じがしますね。

ワインのような酸と、熟成による甘み、旨みの複雑さ。
さらにそこに木桶の香りといういつもと違った要素が絡みます。
ゆっくり舌で味わうと、クリーミィなタッチと、チョコレートのようなニュアンスのコラボも感じます。
バニラのようなエレガントさも感じ、かなり良いですね。
常温で飲めばこっち方面に寄って行くでしょう
温度高めのほうが甘みが出て良いと思います。


いろんな表情がでてきそうなお酒なのでゆっくりやります。
系統として似ているのは、木戸泉のafsの寝かせバージョンですかね。
そこまで個性的でもないんで案外普通に飲めるんですけど。
酸が高いのでその分モダンな仕上がりですし、熟成感もしつこくなく冷やせばむしろサッパリなお酒でもあります。
程よい温度ですと、甘みや残隊の厚み、複雑さがぐっと押し寄せてきて素晴らしく楽しいです。
蔵元ではヴィンテージ違いも販売しているみたいですが、まだ全然きれいですしもっと熟成が進んだ方が好みかもなと思いますね。

記事にもしましたが、酒バーよらむ。
あそこなんかでいかにも出してそうな味わい。
ぜひあまり冷やし過ぎず、グレンケアングラスなんかでゆっくり時間をかけて飲んでみたらいかがでしょう。

もしもっとストレートに樽感を満喫したいなら、吉野樽丸をどうぞ。
あれは山中酒の店の専売だっけ?










京都滞在の合間に吉野を歩きまして、その際ちょっと時間があったので蔵元へ。
吉野川のほとりにあります。




何日か経ちました、3日か4日か。
樽由来の木の香りが、ややスモーキーにも感じられます。
バニラっぽい香りや気持ち蜂蜜っぽいニュアンス出ていますが、そこにやや丸くおとなしくなった酸。
甘みに酸味が重なり、五味の折り重なりとしての旨み感。

なかなか個性的ですね。
そんなに量が飲める、飲みたくなるお酒でもないですし、万人におすすめするお酒ではないです。
ただしこういったジャンルに理解のある方なら、興味深く楽しめるお酒。
すぐにへたることなく、かといって綺麗でもあります。
アミノ酸が多くない感じで、元の味は太くしてないし酸もバリ高めでスッキリなんだけど。
熟成とか香りとかほかのとこで厚みをつけている感じ。
飲み心地、テクスチャ、舌触りなんかも木のエキスが溶けてるなという感じがしますね。
いいか悪いかはわかりませんが。
ただ面白い試みだな~と思うので、ぜひ続けていってほしいですね。





Theme: 日本酒
Genre: グルメ
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