日本酒感想日誌

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【817】雪鶴 袋しぼり 純米吟醸 中取り無濾過 29BY

日本酒
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而今がちょっといささか重すぎてちょこっと飲む分にはいいんだけど。
おそらくすっきり系であろうこのお酒を飲みます。

実家が新潟なんですが、帰った時にちょこっと飲む機会があって。
香りはハッとするものがありつつ、味わいはかなりすっきり物足りないというちょっと惜しいお酒でした。
それには理由があるのですが、香りとか質感の部分でいうと、全量袋しぼりという狂気の蔵で。
もう手間的に考えたらあり得ない、空前絶後のいい意味であほというかぶっ飛んだ蔵。
全量純大はあれど、全量袋しぼりなんて蔵は全国でここだけじゃないですか?
そんなことを言ってたら、たしかまるめちさんに先を越されたんだったと記憶しております。
まあこれ以上といったらあとは全量直汲み冷温出荷の蔵くらいですかね。
当然そんな蔵はありませんし、あったら真っ先に飲んで宣伝してあげますよ。



はい、糸魚川五蔵の一つです。
謙信、加賀の井、根知男山、ツキミズ、雪鶴
ちょっと外れてるので例の火災では被害は免れたそうでよかったですね。
県内産五百万石58のしぼりたて。
被害を受けた加賀の井さんも29BYは不明ですが、28BY中に銀盤の設備を借りて出荷はできたみたいです。
あのラーメン屋の親父まじで死ねや。

このお酒も今月12月出荷のバリバリの29BYです。
そういや天皇変わったらまた1BYとかになんの?w
なんかわかりにくくなりそうですね。
中取り、無濾過生、で袋しぼり、4合税込み1566、1升税込み3132。
安いって、絶対あほでしょ。
新酒の1発目から1500円で袋しぼりする蔵あります?
絶対手間と価格見合ってないって~。
おれなんて10分電話するのにも電話してやってるのに感謝しろやカスってスタンスで仕事してんのに。
頭が下がります。

20171212_232555~01


まあ能書きはこれくらいにして空けていきましょう。
無濾過生で極々うっすら瓶底かすんでるかなというくらいで、花陽浴なんかでたまにありがちなやつですね。
攪拌していただきます。

あれっ!?
無濾過生だからなんでしょうが、前に飲んだのより全然味があって普通にいいっすよ。
無濾過とわずかなにごりの分かな。

含んだ時に巨峰系の甘やかな香り。
フィニッシュはキレ感が強めでそこになると青いバナナに変化していきますが、頭は甘やかな香り。

恐ろしくふんわり、ほわほわなタッチ。
これがこの蔵の狂気の全量袋しぼりをやってる理由でしょうね。
超軟水仕込みということもあるのかもしれません。

ほどよい香りとともに、こちらも程よく甘みもあって。
生原酒らしいミディアムな重量感。
きわめてきめの細かい滑らかなシルキーどころかベルベットなタッチに。
程よいコク感、旨み感出てます。

すこしぽちゃっとしつつも、わずかに酸のエッジが立って、さらぁっと極上パウダリー。
あとはやや辛めに鮮やかにスパッと切ってくれるフィニッシュ。
アルコールが立つとかではなくて、さらっと練れた柔らかい瑞々しさもある甘みの中で。
ややドライなまた違った旨みを引き立てるウマ辛な辛口。
ただそこらの超辛口とかってお酒よりもパンチきいてビリっと辛いですよ。
前半やわらかでポチャッとしつつからのこのメリハリはなかなかw

ある程度理解していての、そんなに期待してないという感じだったんですが。
生原酒いいですね~らしさを感じさせつつ、最新の日本酒フリークにも楽しんでいただける仕上がり。
落ち着いてくるとバナナ系の甘やかさがすごく良くはっきり感じられつつ。
酸がエッジにちょこっときいて程よい酸と瑞々しさの薄め感。
そこからまあ少し苦みもあるか?くらいからの少し甘じょっぱい辛ウマはクセになります。
また極上の柔らかさとサラッと感が魅惑的なのは言うまでもありません。
いいっすねえ、すばらしい。

もうこれ1分あるけば日本海というような蔵なんですよ。
もうそうなると、ご馳走は刺身か塩焼き、つづいて干物か煮付けというところで。
そのシンプルな飾り気のない旨みと塩味に相対するお酒としての答えがこの雪鶴だと。
そう売り手がもうしておりましたがその通りでしょう。
そのなかでもこのお酒については無濾過生で、どちらかという昨今のニーズにも寄り添った、売り手の好み要望も反映されているようなお酒ですね(笑)
売り手の好みははっきりと感じます。

魚だけだとつまらんという人。
たとえばプロシュット(生ハム)のちゃんと熟成させた旨みと香りのあるもの。
この辺なんかと合わせてみると、これもシンプルですがいいですね。
極上のふわふわみずみずさらさら甘み(程よく練れてフルーツも)が塩気や香りとの対比でより感じられます。
うめえなあ、甘さは綿あめみたいで、うまいが少しフレッシュというか。
辛みによる疑似的なミネラル感もね。
これはグッド。

進むという尺度でいえば、而今にごりの4日目よりもよっぽどこっち。
それを期待されても困るけどね~。
肉でも魚でもいいんだけど、あまり味付けしないで、塩ふって焼いてそれだけでいい。
ラムですらクレイジーソルトであとはワサビだけ。
それで飲めば最高に幸せ。
これいいっすねえ。
系統としては静岡吟醸なんか楽しめる人は存分に楽しめるかなあ。
時間がたってくると少しビターが強いくらいかな。
過度に期待しなきゃ十分楽しく、また光る個性があるお酒。
これは評価してあげないと。

問題があるとするなら、結局1本もスペースがあかずに明日2本届き、まだまだ頼みたいということ。
まず1升瓶が14、5本あるし4合瓶が30本近くあるからなあ……。


2日目。
しかし思った以上にチャーミングですね。
バナナに巨峰やメロンが溶け込んだような含み香がはっきりと香ります。
さらっとふわっとパウダリーに雪国美人のお肌のタッチ。
そこからやや酸のエッジがきいて甘ウマ、甘じょっぱいというような味わい。
酸味がビターさとちょっと干渉して引っかかるか?と思うところでそれを辛みがうまく回収。
ズバッといって、良い塩梅のドライな旨みの余韻、ちょい果実味って感じでしょうか。

これは良いと思います。
普通に楽しめるレベルで、かつ個性もある。
ややピーキーというかアンバランスなとこもあるんですがそれも楽しい。
もしかしたら微調整できれば今後もっともっと化けていく可能性もあるのかなと思います。
あすこしエッジィなのがよくもありもっと円く柔らくなっていけば蕩ける天国かもとも思う。

ほんとに全部どうしようもないくらいすっきりだと勝手に思っていたので。
これくらいであれば、一火なんかも飲んでみたいですけどね。
3日4日とのんでも崩れなくて、軽さはさすがに落ちますが、サラッとした肌なじみの良さは健在。
バナナブドウ的な香味とさらっとパウダリーな甘みを程よく酸できゅっと締めてじーんとはっきり辛ウマ。
個人的にはかなりヒット。







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