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日本酒感想日誌

【879】上川大雪 純米吟醸 吟風 直汲み 29BY

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今年、日本業界において一番の話題といってもいいのではないでしょうか。
上川大雪、北海道の新設蔵が今BYから正式リリースを始めました。
クラウドファンディングもやってたし(金に困ってるわけないので宣伝目的で、またその辺が嫌いなんだけど)。
その関係で昨年に試験醸造酒という形ですでに飲んだ方もおられるようで評判は上々でした。
私としては、はっきり言って不安と期待が入り混じった蔵元です。

不安。
新設蔵ということで、大手の資本主導です。
社長は三國プランニングの副社長で、三國プランニングってのは三國清三のレストラングループの運営会社です。
この人が北海道出身でそこから始まったプロジェクトのようです。
さらにそのツテで日立トリプルウィン、極東産業といった企業の資本が入ってます。
ぶっちゃけこの蔵はうちのブログを見ているような日本酒ラヴァー向けの商売をする気は一切ないと思われます。
まず社長のレストランへの出荷があるし、蔵自体もレストラン併設で観光蔵としてやっていく気満々。
北海道ではいわゆる特約店みやいな酒屋におろしてるみたいだけど、他の地域はほぼ出していないのじゃないかな?
ゆくゆくは直販で捌く意向なんでしょうが、通販がなめてて、事前に予約みたいなスタイルだし、そもそも注文が2本から(同じ酒を二本)だしまあなんかふざけた感じなんですよね。
おそらくは酒屋で売る気なんかなくて、北海道限定というようなプレミア感をつけつつ、社長のレストランと、土産と、知名度を生かした直販でやってく気なんじゃないでしょうか。
僕が飲みたいのは造り手の人柄とかクラフトマンシップが伝わってくるような個性的なお酒なので。
ちょっとこの蔵の成り立ちからしてそれは難しいのではないかと思っています。


じゃあなんでそんな蔵の酒をわざわざ取り上げるかというとこれは川端慎治杜氏の存在につきます。
その昔まだ北海道の酒米が今ほどメジャーじゃなかったころに北海道の蔵で地元のお米を使って美味しいお酒を造るということで一部でたいそう評判になりました。
金滴という銘柄で、金滴吟風とか金滴彗星とか金滴北雫とかの4文字シリーズは非常に人気がありました。
ところが。
ブログでやろうと思ったら経営陣とスレ違いがあってクビになっちゃったと。
まあよくある話なんですけどね。
最近でいえば笹の川のクソと猪田杜氏とかね。
ようは金儲けしたい社長と、いい酒つくりたい杜氏の対立と。

そんなこんなで、当時マニアの間で話題だった川端杜氏さんの復活なので楽しみにしていたわけです。
僕もよく見ていた今はもう引退されたブロガーさんなんかもよく押してましたねえ。
その方が好きだったのはこの川端さんと、山本スペシャルの山本さん(現菊鷹)とかまあ他にもあったんですけど。
なつかしい。
北海道で新しく蔵造るってときに、杜氏まかせるとしたらまあこの人以上の適任はいませんわね。
そこだけは経営陣に感謝です。
一方で前述の体制のことがあるので、はたして存分に力をふるうことができるのか不安もあるわけです。


今回は吟風50の直汲みを選びました。
上記のような感じなので酵母とか詳細は不明です。
ただ磨きとか詰め口とか、僕にとっては最も一般的なスペックを選びました。
通販サイトを見ると、吟風が比較的味があって、その分これは華やか系に仕上げてるみたい。
彗星はスッキリ系らしいです。
きたしずくはしらん。


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とまあ余計なことをいろいろ書いてしまいましたが。
美味しければ問題ないですし、美味しいことを祈っています。
いつも通りフラットにいきますよー、悪くないのに難癖付けて減点みたいのことはいたしません。


ボリュームはそんなにおっきくないですが。
ややフローラルにカプっぽい立ち香な気が。

んー悪くないけど、よくもない。
やっぱりカプ系の香りがかなりバッっと広がります。
それと軽い渋み苦味が干渉して、ちょっと飲みずらいというかひっかかるようなイメージで。
僕はもうこの手のお酒は辟易としてるんですよねえ最近は。

ただいいところもあります。
香りはありますが、ぶわっときつく来るほどではなくてそのあたりはコントロールきいている。
だんだん落ち着いてきて飲めるようになってくる。
あとは水のいい感じと、溶け感の良さ。
流行り系ほど甘みを出していないです、多少程度で、それを香りで補足する感じかな。
全然甘いって感じじゃなくて、乳酸っぽい、薄めのヨーグリーナ系なのかな表現的には。
あとはクリアーで、きりっとしたニュアンスを感じ、いい具合に水の良さみたいのが出てるのかなーなんて思ったり。
ガスは、溶けてるのかもしれんけど、少なくともしゅわしゅわ来るものはない。

そんなにカプか?
中盤の水を感じるところでちょっとバナナ系も。
あとは比較的シャープなキレ感です。
ミネラル感が結構あって、少し苦いくらいでシャープにシュッといってくれます。
この辺は最適解ではなさそうですが、もう少し造りも仕上がってくればすごくよくなってきそう。

問題は2杯目くらいから、マジでちょっと変なニュアンスが出ますね。
いや実は読者さんから袋香のようなものを感じたというお話がありまして。
僕はバカ舌なので、あまりオフフレーバーみたいのは解析できないし、多少なら全然許容できるんだけど。
袋香なのか紙臭なのかムレ香なのか木香なのか、酢エチっぽくもありそのへんは不明ですが、飲み進めてもハマってこなくて何か嫌な感じがするんですよ、それも結構はっきりと。
甘みも香りも全開!!というお酒ではなくてちゃんとコントロールしようというお酒なだけにちょっと目立ってしまいますね。


まあ、まだ初年度の最初も最初だし、これでこの蔵はだめだ!なんて決めつける気は毛頭ございません。
ことしは2本目はないかな~、来年はやると思いますけど。
いや、いいよ、いいんだけどね。
いい意味での水っぽさ、潤い、ミネラル感、シャープさ。
この辺は良いですよね。
味も甘すぎないし、香りも落ち着けてるので、商品が違えばもっと良いかもしれない。
ただ変なニュアンスは気になるな。
あとこの構成ならちょっと中途半端でもっときれいに細くして、そのうえでもう少し酸の張りというかテンションを高めてほしいなと。
酸もなくはなくてあるけどね。
ちょっと中途半端な気はします。
派手なの好きな人はもっとゴテゴテで、俺からしたらしつこくて飲めないってのが好きだろうし。
もっと細いの好きな人はこれじゃうるさすぎるだろうし。

はじめブヨつくか?と思ったけど、エキス感はやや抑えてあるので、そこまではいってない。
でも香りの感じと渋苦が干渉する感じはある。
やっぱちょっとブヨつく。
ブヨつくって書くと聖書のヨブを思い出すから嫌なんだよな。
ヨブの皮膚病ね。
やっぱこの路線で行くならもうっと洗練させて、横の広がりを抑えないと。
澄ませて酸の勢い出してね。
時間軸での酸のハリ感というか。
で綺麗にうっすら香りのせれば、いい水感やミネラルも映えると思うんだけど。
やっぱまだ少しエキスっぽいのか。
そういや旨味の話してなかったけど、あるはある。
すこしごつっと硬くて若いような五百万石っぽさはあるのかな。
これが造りとか若さなのかお米なのかは定かではないが。

あとはこのマイナスのニュアンス。
工程なのか設備なのかわかりませんが、良くないことは確かです。
シャープさは好みなんだけどね。
味は無さめの香りとシャープのちぐはぐさ。
香り、味わい、苦味に少し嫌なニュアンスはあります。

まあそんな感じで。
飲めなくはないし、良さの萌芽もありますが、わざわざ買うほどでは、今の時点ではまったくもってないです。
何かの参考にしてください。
いやぶっちゃけ今年はスルーでいいよ。
来年は来年でまた俺が報告してやるから。









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