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日本酒感想日誌

【1006】真澄 突釃 純米吟醸生原酒 29BY

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つきこし、と読むそうです。
真澄渾身の新商品のようですね。

去年出てたコアとかというのとはまた違うのか?
最近ちょいちょいラインナップ整理したり新しいの出したりいよいよヤバいと思ったのか頑張ってますね。
真澄うめえなって思ったのってほんとに飲み始めたころのあらばしりくらいだもんなあ。
何年か前に諏訪に行ってアレコレ飲んでみたけど、どれもちょっと古臭いなあって感じの味わいだったし。

今回の商品に関してはWEBに大々的に書いてあります。
ざっくりいうと風の森にインスパイアをえて開発した商品だと。
風の森はスクリーン上の円筒形のものをタンクに入れてそっから汲むってような感じでしたが。
これはなんかちらっと見える画像によると布みたいな、細かいスクリーン上のものを沈めて分離するという感じですね。
出荷できるのは醗酵タンク一本の約3%とかなんとか。

長野県産の美山錦、ひとごこち、兵庫県加東市山国地区産山田錦で磨き55。
無濾過生原酒だそうです。
とうぜん酵母は7号。









パッケージも気合入ってカッコいいですなあ。

あーこれはうまいですね。
今の風の森より全然おいしんじゃないですか?

発泡感は極々弱いですが、極めて細かい泡で。
さらに言うとそこからパウダリーなミネラル感がわっと立つ、非常に好みの構成をしています。

最初、ちょっとシュガーに甘いかな?とは思いました。
それでも白いブドウや花のイメージの酸と香りも少々あります。
たしかに奥から桃っぽさも出るかもしれません。
続けて含めば甘さはそれほど感じず酸味のニュアンス感が出てきます。
でもややコクとビターさがあるのかなあ。
甘さもあるけど、ちょっとエキス的なしっかり日本酒感もあるか。
このへんはちょいとチグハグ。



ハッキリいって細部はキマってないけど、美味しいのは美味しい。
この超ミクロな泡と、そこからわっと立ち上がるミネラル感の芸術点はかなり高いです。
この辺の構成は、それこそ最近飲んだ土佐しらぎくとか澤屋まつもとにも通じるものもあります。
さらにその上で個性もあると思います。
蔵元の大きなウリになり得る製法だと思います。

一方で、ベースの味わいは悪くはないですが、はっきりいってまだまだ普通です。
クリアーはクリアー(いかにも酸化してなさそうな味わい)だと思うんだけど、ややシュガーで、かつエキス&ビター。
その辺の細かいバランスは土佐しらぎくとか澤屋まつもとどころか、今は知らんけど昔の風の森なんかにも全く及んでないですね。

本気でこれを押していくのか知らんけど、押すならもっと昔の風の森みたいな果実丸かじり果汁じゅるじゅる感とか。
あるいはそら澤屋まつもとの削いだ世界でも、土佐しらぎくのいい意味でソリッドな世界でもいいんだけど。
そこは突き詰める必要があると思うんですよ。
ちょっとシュガー&ビター&重い。
難癖付けてるわけじゃなく、期待と、価格との見合いを込めて言ってます。

今日自分で書いてて??と思ったのは、いまけっこう7号はやってるじゃないですか。
7号好きな人もいますよね。
イメージ的に良い7号ってもうちょっと溌溂とクリアーにスパッとならんかなと。
なんで7号発祥の地で古臭いとかちょっとエキスが重いとか思わなきゃならんのだと。
まあそうでもないか。
そういう酒もあるか。
細かいとこのバランスか。

飲んでいくとそんなに甘みは感じず、むしろハリのある酸味感じますね。
粉っぽいくらいのミネラル感から、やっぱ後半エキスで重く、ビターもでるか。
でもやっぱ時間空けて飲むとはっきり甘い。
そのループ。
でも問題があるとかそういうレベルではなのでぜひ。
たぶん全然違う印象を抱いて、最高や!ってなる人もいると思います。


ただ真澄は体力あるので、3パーしかとれないものを、こんだけそれなりに展開できるのはさすがとしか言いようがない。
真澄くらいの規模の蔵がこれを大展開するってのは凄いインパクトになると思いますよ。
まあ3パーしかとれないってのも問題だけどね笑
何をベースに3パーってるのかとかその辺のトリックを疑ってしまいたくなる性格の悪い男です。
値段もたけえし、細かいとこのクオリティはあるけど、似たような構成を全量で表現出来てる蔵もあるわけだから。

いやそれでも大展開すべきだし、何ならドライ、スイート、ジューシーで3パターンくらいリリースしなよ。
それくらいぱっと思いつくんだけど、そういう発想がないのが地酒業界は終わってるし、本気で自分のとこも他のとこも造り手が飲んでないんだろうなあと思う。
家業としてやってるだけで、社長自身はスーパードライ飲んでるよ的な。
まだワイン飲んでるならましだけど、オタクレベルで飲んでんのかな?的な。
いやそらどこの社長だって仕事として飲んではいるだろうが、本気の本気で自腹で飲んでるか?
その点まだ加茂錦荷札酒とかは本気で飲んでるわ。

期待ゆえに厳しいことも言いました。
何度飲んでもベースの味わいはピタっとは来ないで粗もありますが。
このミクロな泡からの細かく舞い上がるミネラル感は非常に期待したいとこですね。
篠峯とか、長陽とかその辺とも通じつつ、オンリーワンな個性があるんですよ、製法的な質感は。



2日目。
はて、今日のつきこしちゃんは。
やはり強くはないですが、超ミクロなガスを感じ、そこからのミネラルの立ち上り方は秀逸。
その反面気なるのは、製法によってブーストされるベースの味わい。
全然悪くはないです。
でもなんかもう一声欲しくなる。
やっぱり少し甘いのと、ビターなとこ?
まあビターはガスの分しゃーないとこもあるけど。
果実味とか酸とかの表現がもう1歩くれば、いいやいいなって瞬間もあるんだけど。
ちょっと重いなってって感じるときも。

最近の7号っていうと張りのある酸とか、ラムネ感とかそういうイメージで。
なんかその辺のイメージが真澄からわいてこないことが不思議なんですよね。

あと3パーしか取れないのにまあまあ量出してるってことは沢山タンク立ててるんだともうけど。
残りの97パーどこいったん?ってのは気になる。
むしろ普通の商品から取ってブレンドしただけとかもあり得るのか。
とった3パーはブレンドして出してるのか、シングルタンク的に順繰りに詰めていってるのか。
あとは当然こうなると、小仕込みって話は製法的にあり得なくなってくるのでその辺も気になるかな。

まあ高いのと、大手さんへの期待を込めて厳しくいきましたが十二分に美味しいです。
真澄さんが本気出せば少なくともデパートにはこのレベルを安定供給できる力はあるはずなので。
そうしたらそれはとっても素敵なことだなと思います。

いやまあでも旨いな。
ミネラル後の余韻みたいのもあるし。
半サイズきれいにしてほしかったくらいか。
美味しいです、お勧めです。
たぶんみんな好きな奴だし、俺でもトップクラスのお酒と比べていきたくなるようなお酒です。










4 Comments

龍力大好き says...""
最近は頻繁にコメントを書いてしまい恐縮ですが、真澄とはまた微妙なところを飲んだなあという感想です。正直に言えば、味がぼんやりというのは失礼ですが、他との違いがはっきりしないところだなと感じます。今回のはそれを区別するためなんだろうなというのはサイトを見て思いました(笑)
龍力も真澄みたいにサイトに少し力を入れてくれないかなとも思ってしまうぐらいでしたね。

前回の兵庫のフェアをやらない理由は灘の大手蔵と他の蔵が一緒にやる理由が大手蔵にはないからというのが語弊がありますが、簡潔な理由ですね。日誌さんが灘の大手蔵に抱いたイメージと龍力のやり方とか全然別物ですし、あかしとかのウィスキー作ってる所はワインもやってるし、日本酒もやってて、やるには微妙というのもあります。

今回の日誌さんの感想って日本の現代農作物とかと同じような傾向だなと思いました。
野菜や果物など糖度が高いから美味いという理由で高く売ってますが、正直甘いばっかりじゃ飽きますし、必ずしも美味しいとは限らない。加えて他の風味や味を軽視してるのはいかがかなと。
ワインやビールやウィスキーなどの蒸留酒がある程度安定しているのは味や風味や積極的な改革と同時に伝統性、tpoの多様性を保持しているからかなと思います。日本酒にないとは言いませんが、受けてるからという理由で付いていくのは一時はいいかもしれませんが、後はよろしくないですね。明後日の方向にとんでしまいましたね、長々と失礼しました。
2018.07.31 22:40 | URL | #- [edit]
日誌係 says..."Re: 龍力大好きさん"

いえいえ、コメントは大歓迎ですよ!

しかし龍力大好きさんらしからぬ辛辣なご感想(笑
僕もやはり古臭い準大手の味わいだなというイメージでしたけどこれは悪くないですよ。
ベースのお酒としての味わいはもう一声というところですが、これで十分大喜びな人のほうが大勢な気がしますね。
製法的には非常に魅力を感じます。
もう一歩お酒の味わいが来てほしいんですが、まああれだけの大手なので無理でしょうね。
いちおうMIYASAKAシリーズとか始めたり改革する気はあるようなので、気が向いたら一度いかがでしょう。

龍力さんは確かにそろそろサイトをって気はしますね!
なんせ書くネタには事欠かないでしょうし。
デパートであれだけ売っているくらいなのでやってもいいはずなんですけどね。

日本はけっこう右と言ったら右!な文化なので多様性というのは問題です。
今もとりあえずカプエチ系で甘く!みたいなお手軽な商売で稼いでいるところが多いですから。
客が飽きたらそっぽ向かれて一瞬で衰退するんですけどね。
やはり自分の蔵のこだわり、世界観みたいなものが欲しいですし、行ってしまえばクラフトマンシップということになるでしょうか。
ただの消費財であってはスーパードライには絶対にかないませんので、蔵元さんには伝統や文化として100年先まで根差すようなおのを目指して頑張ってほしいです。
2018.08.01 19:08 | URL | #- [edit]
なまっぴ says..."No title"
こんばんは。
日誌係さんも「真澄つきこし」お飲みになられたのですね。

私も口当たりから全体の印象としてもとても甘いお酒に感じました。
超微細に溶け込んだ泡の感じやミネラル感は最高でしたし、甘いお酒が好きな方には特にビビっとくるお酒だと思います。
日誌係さんが仰っているチグハグ感ですが、ごちゃまぜな複雑味は私は良くも悪くも私は「真澄」らしさが出ている味わいに感じました。実は割りかし好みの味わいです。
(あくまで真澄の季節酒の印象で、真澄の定番酒がどんな味かはわかりませんが)
ちなみに酒の五味である甘味や酸味、辛味に加えて、苦味や渋味まで出て且つ美味しい日本酒を求めているのですが、出会えていないです。
ベースの味わいや完成度については、私が未だそのレベルまで至っていないためなんとも言えませんが、あと一歩があれば素晴らしいお酒になりそうですね。

確かに残り97%の行方気になりますよね。
使用米には3種類の酒米が明記されているので、私は普通の商品から取ってブレンドしているのではないかなと思っていました。
最近改めて長野県の酒蔵巡りを初めたので、確かなところは宮坂醸造さんに伺ったり等何かの機会に聞くことが出来たら聞いてみようと思います。

「MIYASAKA CORE」は良かったですよ。
(昨年は飲めていませんが昨年は純米吟醸スペック、今年は純米スペックのようです)
味にもとても深みがあって、つきこしよりも独自の世界観を描けていると思います。
2018.08.01 23:17 | URL | #- [edit]
日誌係 says..."Re: なまっぴさん"

遅くなりました!


僕もあれこれ書き過ぎましたが、かなり良いお酒でしたね。
それほど期待はしていなかったのですが裏切られました。
ミネラル感は最高でしたし、甘いのは今の売れ筋を考えればこれくらいのほうがウケるかもしれません。
この味のボリュームがらしいとなまっぴさんが感じたのであればこういう路線なんでしょう。
狙っているのであればそれはそれでよいと思います。

やはり普通に考えれば、普通の商品から良いところを取ってブレンドしたということになりますよね~。
このあたりもスペシャルなロットなんかが出てくればもう1段上も期待できそうです。

今後とも、酒蔵めぐりも含め更新を期待しております!
長野のことはなまっぴさんに任せました!


2018.08.05 20:26 | URL | #- [edit]

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