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日本酒感想日誌

【1246】松の司 純米大吟醸 竜王町山田錦 土壌別仕込み 山之上30BY

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このお酒のポテンシャルを考えたときに、今飲んでもどうこうという感じではないんだろうな~と思いつつ安定の味わいなのでつい手は伸びてしまします。
おそらく蔵元のほうも色々造り分けてる実験みたいなとこもあるんじゃないでしょうかね。
いつかさらに昇華されればいいなあと思っています。

今回は今シーズンの3種類目。


栽培者:竹山勉
仕込水:山之上寺島邸井水

山之上地区はなだらかな丘陵地でブドウや梨などの果樹栽培が盛んなことからも土壌の水はけの良さが窺えます。 この丘陵地のかかりに広がる田圃で育った山田錦。そして同じ地区で採水した軟らかな仕込水を用いることで、 粗い砂礫からは軽快さを、粘土質の少ない赤茶けた土からはわずかに収斂味を帯びた複雑味を宿しながら、 なめらかで伸びのある味わいに仕上がりました。



ということ。
仕込み水も変えてきてるのは同蔵の他のお酒でも知っていましたが、この辺も色々トライしてるんだなあと。






うん、これは随分と違いますね。
おそらく飲み比べればはっきり異質だと思います。

かなりビッとしたキレ感が強く鋭いように感じます。
味わいの出かたもちょっと雰囲気違いますよね。
どこがって言うとと困るんだけど、軽やかで瑞々しいっていうのではなくて、ややポチャッと来てそっからスルスル流れる感じかなあ。
もちろん滑らかさとか軽い伸び感もあるんだけどね~。
ボリューム感は出てる。

キレ感も結構違うようなあ。
全体的に面でズバッと押すというより、舌の中央のラインでやや細く鋭く辛い感じ?
それだけじゃなくて、辛い感じが頭から立って少し香りのニュアンスなんかを巻き上げつつ、味わいを下支えしながら、重層感。
これはかなり異質で水なのかテロワールなのか。
やっぱここ突き詰めた日本酒もブルゴーニュのレベルいけるわ。
それを宗教的に、歴史的に、国家で、積み重ねてるのがブルゴーニュの凄みだけど。
なんせ神の名のもとに何百年やってるわけだから。
日本人の宗教観じゃおっつかないし、そら敵いませんて。


長期的にどういう風なまとまりを見せるのかはちょっと不明ですが。
現時点とか近い将来でいうと、これ好みかもしれません。
まあ同じタイミングで飲み比べてないから参考程度だけどねえ。

味わい的に楽しい。
なんていうか、生もとっぽいようなヨーグルト系の味わいが比較的でていて、割とクリーミィに甘さなんか感じさせるんだよね。
時期的なものもあるんだけど、もう少し味気なくスイっと軽く伸びるようなイメージだったので。
風味のニュアンス的にももちろんバナナ系やブドウもあるんだけど、ややミルキーが先に来て、それを明るい酸味がブドウ感とかマスカットありながら少し引き延ばして、そのあとにかなり強めのミネラル味というか鉱物味。
ミネラル感もあるんだけど、やっぱかなり違うよね。


これが水なのかなあ。
松の司でいうと、26BY~掘りなおした深い井戸の水を使ってるんですよね。
これが少し硬いくらいの酒質なってるんですよね。
試験的な範疇で浅井戸の水を使用したタンクがあったそうですが雨水の如くしなやかで、そのままの個性の味に仕上がってるとか。
一口で評価される鑑評会には口当たりの良いしなやかな個性の酒が向いててそれが金賞になったなんて話も。


そういう意味でいうとこのロットは“柔らかな仕込水”というくらいなのでやっぱ違うんでしょうね。
それでいて鉱物感ははっきり出ていたりするから最高に興味深いよね。
ある意味でいうと、巷の純米酒的な味わいではあるんですが、紙一重なようで大きな隔たりがあるのはやはり松の司
今年飲んでないけど、雰囲気的に言えば、住吉で出してるアビスとかかなあ。
あれブレンドらしいのでやっぱちょっと違う感じが何となく近しいような。

これ今飲んで旨いわ。
少しぽっちゃりまったりしつつ、綺麗でブドウの明るさとかニュアンスもありつつーの、キレ感。
とろっとしてるようで砂礫系の軽さ。
キレがちょっと違う、収斂性、少し鉱物味というか鉄っぽいのを絶妙に味わわせつつ、フィニッシュまで気持ちいい。

今飲むなら、おそらく圧倒的にこれを評価すると思います。
寝かせたらファットになり過ぎるのかもしんないけど。

松の司は飲みなれててビリビリ来るようなオーラはまだこの時点では感じないんだけど。
それでもやっぱ格が違うよなあ。
細部の仕上がり、ニュアンス、それが少し味わいの攻勢が違っても雰囲気は飲めばわかる。
やっぱ最高。
バカはカプ飲んどけ、頼むから。

やっと、なのかもしれませんがこの1本は昨年から始まったこのシリーズでも明確な違いを感じさせました。
今年から始まった会津娘はどうでしょうか、あれも実力的には文句ない蔵ですからねえ。
あそこは多いんで全種は無理ですが、当初の予定よりはやる本数増やしてもいいかな、と思いました。

いやこれ今飲むなら完璧に美味い。
作為的ではない中での華やかさ、味わい、コク、明るさ、少し特徴的に収斂性を感じさせるキレ。
こりゃいいや、少なくとも値段をつけるなら、1万以上のワインということになると思います。
やはり松の司は最強最高。



2日目。
やっぱり少々苦みが強め。
一方でそれによってより引き立つ味わいもある。
これで痩せてると最悪なんだけどそうじゃならないのが、トップの蔵なんだよねえ。
甘みや果実味がちょうどよく感じられる。
とろりとした密度感と、自然な液性の広がり感。
バニラリーなニュアンスやコク。

あと器のによって味わいの立ち方もかなり違う。
おそらくこの酒にはガラスは絶望的だろう。
土物でも結構選んできて、焼き締めとかが合う。


3 Comments

アイオライト says...""
こんにちは。
さすがの安定感といったところでしょうか。機会があったら4つの土壌全て飲み比べしてみたいです。

実はちょうどmoukanさんの守破離の記事でもコメントしたんですが、日本酒にテロワールの概念持ち込むのって微妙だなあと思ってまして。ワインと違って、いかんせん、テロワール以外の要素の影響が多すぎるんですよね。
とはいえ、こういう工夫や試行錯誤を繰り返してクオリティが底上げされていくのかもしれないですね。神は細部に宿る、じゃないですが。
2019.08.10 10:46 | URL | #- [edit]
みりん says..."To アイオライトさん"
横から失礼いたします。最近日誌係さんの記事を読むのがとても楽しみな みりん と申します。

こういう土壌違いの飲み比べとか本当に楽しそうですよね。毎年やっていって、何らかの傾向が感じられたりしたら、それはそれでとても楽しい経験になると思います。ただ、これをテロワールで説明するのは論理的飛躍が大きすぎると私も思います。本家のテロワールの概念も実は初期の頃とは随分と変わっているようですし。

お酒のような複雑な系は簡単には因果関係の説明がつかないのだとつくづく感じますが、どういう事が酒質に関して起こり得るのかと言う知識を蓄積しながら丁寧に味わう事は、とても知的で楽しい事だと思います。ワインの方を参考にしながらと言うのが結局近道かと思いますが、理性的に嗜むスタイルが広く受け入れられるようになって欲しいですね(^^)
2019.08.10 15:22 | URL | #- [edit]
日誌係 says...""

アイオライトさんのおっしゃる通り、現状はテロワール、特に畑違いによる明確な味わいの違いなんかを表現するのは難しいですね。

日本酒は精白で半分も削るというのがデフォですし、何より並行複発酵で酵母や麹の特性に味が大きく左右されてしまいます。
ワインと違って、日本酒は米の味なんて全く原型をとどめてないので、完全に別ジャンルのお酒ですよね。

まあ磨かないお酒とか、生もとの復興なんかはテロワール表現へのチャレンジともいえますし、今後革新的な製法による新ジャンルの日本酒というのが出てくるかもしれません。
今はようやくそういったことを模索するスタートラインというところではないでしょうか。
松の司や会津娘のチャレンジも現段階ではかなり実験的な試みなので将来に期待です。


一方で畑による風味の違いはともかく、いいお米と悪いお米の差はこれは僕は明確にあると思っています。
ですのでこういう試みで醸造家の立場から見た原材料の良しあしというか、より酒造に適した高品質のお米が手に入ることによって、現状の味わいがランクアップしていくということについては大きな期待を寄せています。

2019.08.10 17:51 | URL | #- [edit]

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