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日本酒感想日誌

【1263】農口尚彦研究所 山廃 五百万石 無濾過生原酒 30BY

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前回やって思いのほかよかった農口尚彦研究所をもう一回。

さて。
前回の愛山55、まだやってない美山錦55、そして今回の五百万石65、全部5000円です。
山田錦だともっと高くなるし、一応もっと安価な商品もあるけれど、基本価格はこの辺で高級路線。
これをぼったくりと取る人が、おそらく日本酒を日常的に飲む人ほど多いと思うけど、果たしてそれでいいのか。
僕は内容が伴っていれば1万2万程度なら取って良いと思っています。
逆に黒龍の無二とか、楯野川の光明のなんかは死ねと思う。もう一回ハッキリ言うけど死ね。
ああいう価格はワインでもそうだけど自分でつける価格じゃなくて、求められてそれならといってつける価格。
例えば十四代なんかはオークションでバンバン売れているんなら、それに準じる価格をつけていいと思う。

とにかく五百万石65だと通常なら1200円~1500円といったところでしょう。
それが5000円の味になっているのか凄く興味があって、忘れないうちにと思って買ってきた次第です。

しかし19度ってのも攻めてるよねえ。
山廃の原酒だからよくある話ではあるんだけれど、この価格帯でそのまま出すというのはなかなか少ない。







さてさて。
注いだ段階でとろっと比重が重そうなお酒。
立ち香はやや華やかな要素もあるが、凄しゴツっとした山廃純米的な要素もあるので、どうなんだろうというところ。

なるほどねえ。
基本線は愛山のほうと一緒だと思います。
やっぱり他でなかなか無い味わいの構成で、価値のあるお酒。

終始辛みはあるのですが、基本的に中心部分は舌触り滑らかでいい具合のサシの入り方だなあというような印象。
やっぱりある種の華やかさがあってこれが独特。
やや誇張表現だけどイチゴや白桃、ライチ。
これがどうして出るのかわかんないんだけど、セメダインもあって、そこに少し山廃っぽい酸を作用させているようなイメージというか、まあ純粋にカプとかも出てるんだと思うけど。
あと全体に重厚でどっしりした味わいなんだけど、適度に甘みが生きているというのもありますね。


少し山廃らしいようなクセ感を、うまく生かして昇華させたようなエキゾチックさのある含み香。
甘酸っぱさや香り含めキュートな表情もありつつ、味わいは重厚。
クリーミィなお米ジュース的濃厚さに、今回は低精白の少し雑味っぽいといえば雑味っぽい、酸味とともにやや硬く収斂性のような要素も感じさせるのですが、確かに公式アナウンス通り脂のあるものに良さそうな感じで個人的には高級中華料理の特定のメニューなんか合わせてみたいと感じました。

やっぱりどこかクラシックな山廃っぽいんだけどキュートな甘酸っぱさ、香りがあるのが良いんだろうね。
ややクセっぽいようなケミカルっぽいようなようで、それも風変わりな魅力として飲めてしまうような。
とにかく独特でオンリーワン。
それで軽薄でなく、特にこれは愛山と比べてもどっしりですが、お米の柔らかい蕩けるコク感ジューシー感に、少し苦み走ったような複雑さで、アルコール度数のパンチもあるのかなこれは。
それでも表面を酸味が綺麗にコーティングしてつるり。
ストラクチャは粒立ちでビシッと屹立するというよりは、中身の重層感で弾力を保ちというタイプなのですが、これでウザったくないのもやっぱり稀有ですね。
ミネラル感ではなくて、純粋に辛味が外側から盛り立てつつというようなキレ感で、そこのところは僕の最近の好みの要素と似てるようで全然違うなという部分。


チャーミングなところも、クラシックなところも、まあ高アルのムロゲンなので当然ですが濃くてしっかりめ、スムースにキラキラというタイプではない。
まあでも進みますし、ぎりぎり野暮ったくなく、特にこのオンリーワンな味わいには価値があると思う。
頻度はわからないけど、たまに飲みたくなると思いますよ。
むかーし常きげん時代の彼のお酒を飲んで美味しいなあと思った記憶があるのですが、それがやっぱり間違った感覚ではなかったんだなあと、10年の時を経てまた味わえるのはなかなか感慨深いです。
当時、本当のジューシーさがあると思った記憶があるのですが、お米ジュース的な部分に酸味もあるところかなあ。
本当に他に似ているお酒って出てこないので、何とか今回の新蔵でこの味わいが継承されて一時の金儲けでなく次の世代に継承されると良いなあと思っています。
でもたぶんこれまでの経緯とか見ても難しそうだから(今の常きげんとかのんでないからわからんけどたぶん)、今飲んでおいたほうが良いよ。


こなれて来て纏まってくるとまた良いんだよね。
前回もそうだったけど、一呼吸置いたほうが良くなってくるタイプか。
まとまりが出て、これまでの硬さや重厚感がいい具合に少し落ちつき、円さやふわっとした軽やかさも顔をのぞかせるという。


いやでももしかしたらこの農口尚彦研究所のややチャーミングな味わいがあの年齢で今の流行りに合わせてきたものだとしたら凄すぎるなその技量。
突き抜けてる。
一番高いのは高すぎるから次は山田錦の純大かなあ。



2日目にスカって下がってくるようなお酒ではないですね。
たとえば香りだけなら山廃純米辛口って感じでオールドだなあなんて思いつつも、含めばやっぱり良い。
ゆきの美人愛山麹のあとでも評価は落ちない。

お米ジュース感が凄いね、とろっとよく溶けて乳酸感やコク感があるんだけど、それが重くないってことなんでしょうね。
豊かでやや厚みある酸味はスカッと感もあり、低精白っぽいような山廃っぽいような少しゴツっとしたような感じもうまく作用して。
それでいて甘み、ややエキゾチックな香りなんかも感じられる。

やっぱりこの味わいの構成、方程式はなかなか無いですね。
決してスイスイというタイプではないのですが、食べながらだとグイグイ進んじゃうのでかなり酔ってきます、19度だと。




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