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日本酒感想日誌

カポヴィッラ オー・ド・ヴィー ペシェ・サトゥルノ2012

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佐多宗二商店の赤根屋クラフトスピリッツ山椒のときにジャン・ポール・メッテの人に師事したとかなんとかという話をしたと思います。
そのご本人である前当主フィリップ・トラベ氏は昨年急逝されたそうで大変残念なことですが、そのジャン・ポール・メッテってなんやねんつーとオー・ド・ヴィーの法王といわれるようなフランスの造り手でございます。
オー・ド・ヴィーというのは蒸留酒の総称で、例えばワインを原料とするブランデーはオー・ド・ヴィー・ド・ヴァンと呼ばれます。
一般的にブランデーと呼ばれるブドウのものや、リンゴや洋梨のカルヴァドスなんか同じく、スモモとか木苺とか桃とかその他の果実を原料としたものなんかがあるようで、オー・ド・ヴィー・ド・フリュイなどと呼び、いわゆるフルーツブランデーといことになるようです。
ただオー・ド・ヴィーはあくまで蒸留酒の総称で、フルーツを原料としてその果汁を発酵蒸留したフルーツブランデーだけでなく、いわゆるリキュールのようなボタニカルを浸出して蒸留したような商品も出してるのでなかなか紛らわしい(前述の赤根屋もこっち)。



でとにかくそのジャン・ポール・メッテのフルーツブランデーでもやろかと思っていたのですが、ついつい別なのを買ってきちゃいまして、それがこのグラッパの皇帝といわれるイタリア、ヴィットリオ・カポヴィッラ氏のフルーツブランデーでございます。

このカポヴィッラおじさん、蒸留酒のスペシャリストで、とにかく原料へのこだわりがハンパない。
厳格に管理された自家栽培、あるいは契約農家から買い付ける最高級の品種のみを使用し、原料に納得いかなきゃ造らない、というか気に入った原料があるから造るというようなトンデモこだわりおじさんであり、下手すると野山にいって収穫してきた果物で造るので、野生のブルーベリーとか野生の黒イチゴみたいな商品があったりする変態です。
当然そのほかにもこだわり満載で、手でもぎとることをせずにネットを張って自然に落下するのを待つ、とか100度より低い温度で湯煎で蒸留するとか何をするにしてもそんな感じらしいのです。

今回は桃を選びました。
完熟した白桃(食用で香りと甘味が強いペシェ・サトゥルノ種、日本では蟠桃と呼ばれる平べったい円盤型のちょっと変わった奴らしい)を圧搾したフレッシュジュースを天然酵母で発酵させ、オリジナルの湯煎蒸溜器で2回蒸溜したフルーツブランデー、だって。
とにかく上記のこだわりようなので、桃も品種が違ったりというのがあるようで、ヴィンテージも記載あり。
外箱にもペシェのとなりにわざわざサトゥルノ(Saturno)と手書きで書きくわえられてるし、ボトルタグもこれ微妙に品種とか数字は手書きじゃねえかよ恐ろしや。








うわあ、繊細だなあ。

そんなにわかりやすくプンプンに桃フレーバーみたいなものではなく繊細。
ただやっぱりグラッパグラスなんかで飲むと独特の甘酸っぱい香がたまらないですね、ピーチというよりソフトなスモモとかそんなイメージ。
いやでも白桃っぽい甘やかさもあるぞうっとり。

味わい的には、やっぱりグラッパ系というのか少しカス取り焼酎みたいなクセっぽいコクを感じる甘みに、蒸留酒のドライさといったところ。
しかしやはり終始淡く優しいアロマが密やかに溢れ圧巻です。
桃をボタニカルとして漬け込みましたというようなお酒ではなくて、桃ジュースを発酵蒸留しましたというお酒において、これだけ桃のアロマの繊細さが生きているというのが特別なんでしょうね、その貴重さ。

本当にびっくりするようなエレガントさがあって果実の甘酸っぱさや、あるいは種や果皮まわりのちょっとした渋みの雰囲気まで生きていて。
いやこのスピリッツという度数41度のがつっとしたものも中に、これほど繊細でメローなものを表現しようという変態的な妄執に感服です。
白桃っぽいさらーっとした甘み、まるで良い大吟醸のような濃いけど爽やかな甘み出てくるなあ。
これ結構いっちゃうぞ、そんなことしたらヤバいけど数十ミリちまちまいくより、もはや焼酎ロックでぐらいの量がぶがぶ行きたいぞ。

いやでもこれ凄いなこなれてくると味も香りも素晴らしい。
それも強いんじゃなくて、やっぱり繊細なんだけど溢れるようなメローさ、果実感。
めっちゃエレガント、立ち香、味わい、余韻、なんならゲップで戻ってくる香のリアル桃塊感あせりますよ。
飲み進めれば進めるほど全方位に白桃だよ、こりゃ凄い。
単純に美味しい。
すこしエロティックなニュアンスとかも出たりしてほんと凄い。
日本酒とかワイン、ビールのような醸造酒だけでなく蒸留酒もいかがですか?

フランスの法王ジャン・ポール・メッテものみたいけど、イタリアの皇帝カポヴィッラ の他のも飲みたいなあ。
まあまあ高い(500ミリで13000円くらいか?)だけど、価値はあるともいます。
やっぱり食後酒として、あるいは寝酒としてでもいいですが、蒸留酒をゆっくりたしなめるような大人でありたいよね。
ウイスキーは高くなってしまってあれだけど、こういうちょっとマイナーな蒸留酒も良いですよ。
もちろんブランデーもカルヴァドスもテキーラも良いし、焼酎だっていい。

ちなみにフルーツブランデーを買いに行ったんだけどロマーノ・レヴィが売っていて合わせて買ってしまったのは秘密です。
ピザでも靴でもワインでもグラッパでもそうだけどたまに出てくるイタリアこだわりおじさんはなぜか凄い魅力ある。


3日目。
昨日はちょっと飲めなかったのですが。
グラッパとか粕取り焼酎っぽさもあるんですが、瑞々しい飲みやすさもあり、横溢する桃フレーバー。
タイミングでフルーツ盛りが見える。
あるいはエロさもあって、初日に飲んだグラスの残り香を一晩たって思い浮かべたのはトマーティン?
甘酸っぱいジャムのようなね。
どこかピークかはともかく、一呼吸おいて開くものはあります。

いや含んでもうめえ、というか含んだほうが桃。
もちろんスピリッツっぽいドライさもあるんだけど、優しい白桃のスイートさはっきり、さらにプラスでフレッシュな酸味っぽさ、またリアルな細かいニュアンス。
これうめえよ。
他の蒸留酒もそうなんだけど、ワインや日本酒とともに、1本くらいセラーに常備して損はないお酒。
間違いなく他の種類も買うと思う。
何のフルーツ買おうかな~楽しいな♪
しかしこれは皇帝だわ。

























1 Comments

みりん says...""
日誌係さま

蒸留酒も本当に上質な物は感動的ですね。
こっそり買ったというロマーノ・レヴィのグラッパ、そのうちの一つを友人に頂き飲みましたが、グラッパやマールが基本的に苦手な私でも感動するほどに美味しかったです。
レヴューをこっそりお待ちしていますね(笑)

イタリアは以前には少し侮っていましたが、食や美を大切にする姿勢は好ましく感じるようになりました。
2019.11.06 15:06 | URL | #- [edit]

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