日本酒感想日誌

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土佐しらぎく 美潮 純米吟醸 雄町 30BY

日本酒
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もう何年もやらなきゃやらなきゃと言ってはタイミングの合わなかった美潮。
醸造責任者の仙頭竜太氏が自身のスタイルを注ぎ込み、 土佐しらぎくとは違った魅力の酒質を目指したというシリーズです。

今回は雄町になりましたが、吟の夢、きたしずくなどの商品も出ています。
磨き50で高知酵母、火入れかな。






『ジューシーで蜜のようにトロミのある上品な甘さと熟れた果実味のある酒』というのが今の僕には若干の恐怖感。
いざ実飲。


あ、まあまあまあ。
開けけ注いだ瞬間は、あかんカプや……という感じなのですが含めばやっぱり土佐しらぎく節というか高知酒イズムというかそういったものもあり。

ややカプ系で甘いんですが、辛味もあります。
質感が独特。
軽妙で滑らか酸もやや高くスッといくようで、確かにとろみがあって良い密度感があります。
甘みも舌先から舌の中心に、凝縮して感じるようでこういう感覚ってあまりないですよね。

またコク感のあるスイートさ。
含むとリンゴのような香からジューシーなリンゴ的甘酸という感じで、普通のお酒であればそのまま行っちゃうんですよね。
これは乳酸っぽい、ヨーグルトっぽいようなコクもありながら、まるで餡子のような甘さで、まったり円やかな質感もあります。
でも頭から少し青いようなスッとしたニュアンス、辛味でカチッと脇を固める感覚もあり、フィニッシュは適度にビッと辛口スタイルです。

う・ま・い・な、これは!。
やっぱり良い造り手は裏切らない。
このバランス感覚、というか設計を思いつくって本当にすごい、こういうのは造り手の美学で作品といっていいようなお酒。
おそらく少し寝かせて熟成感をだしてということなんだと思うけど。
きび砂糖を溶かした紅茶、レモンティー?

一体感、角がない。
凄くスムーズで滑らか、ソフト、ふわふわ。
イマドキな要素の入りから、深淵へ引きずり込むような何とも言えない深い世界。
だけど別にクセっぽいわけでもないしスルスル飲める、カプの渋みすら活かしてる。
リンゴの蜜部→ヨーグルト→餡子という謎のつながりね、香りとかテクスチャとか微妙なニュアンスもまとまっていて、締めるとこはビビっと締めるという。
カプはカプでカプ系っぽいとこもあるんだけど、他の要素が魅力的すぎるメローさ、また辛味の佇まいでマスクしてる。

大変結構なお点前でというほかない。
コク、艶感、エレガントさ。
ダム穴につーっと水が流れこむようなイメージで深さを見せつけてくる。
辛みもあるんだけど、中心部の甘み酸味コクの一体となった味わいの質感がふわっふわのソフトさなんすよ。
だから辛味もそれと一緒に、輪郭は見せつつも軽い熟味とともに、ふわっと消えてくような。
そして適度なアタック、収斂性というわけはないですが、ある種甘くて少しビターな余韻が舌に長く残ります。

カプ系とか甘いお酒を避ける傾向が強くなっている僕ですが、そういう要素が強いお酒の中で今年ダントツに驚いたお酒。
これはアートといって差し支えない。
これ飲まずして甘口系語ることなかれ。

結局熟成なんだろうけど、シームレスなんだよなあ。
カプ要素の浮きがなくて、深さや柔らかい密度で支えてるような。
そして洋のようで和の餡子の雰囲気。
餡子、繊細なカカオか?
でもやや揮発感のハーバルさとか。
これは本当になかなか凄いですよ。
シャープなミネラル硬水系も、間を取ったような普通の土佐しらぎくも、濃密さを見せる美潮も。
やはりこの造り手は今の日本界で間違いなくトップクラスのセンスだと思います。

こういうのやられると、俺とても酒造りなんてできねえし、いつも偉そうに何言ってんねんと思うなあ。
でも今後も、あくまでも素人目線で独断と偏見で、偉そうに語っていくけどな(笑)
いい意味でライス感も少し残る。
これはでもほんと文句はないわ。


2日目。
やっぱこりゃ痺れるね。
確実にカプ、酸味、キレもあるんだけど、沈み込む甘みの深み。
崩れもないしこりゃ凄い。
















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Comments 2

エッジ  
No title

はじめまして。
いつも楽しく拝見させていただいています。
11/1に購入したばかりなので、
飲むのが余計楽しみになりました。
土佐しらぎくは好きなので、
見かけたらちょこちょこ購入しています。

2019/11/08 (Fri) 13:32 | EDIT | REPLY |   
日誌係  
Re: エッジさん


初コメありがとうございます!

ちょうどタイミングがかぶりましたね。
僕も土佐しらぎくはかなりお気に入りの銘柄ですが、今回も驚かされました。
ぜひご感想もお聞かせください!

2019/11/09 (Sat) 18:43 | EDIT | REPLY |   

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