日本酒感想日誌

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【1294】白鷺の城 純米吟醸 喜縁 生 30BY自家熟成

日本酒
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今年の1月に飲んでえらくテンション上がったはいいけれど、セラーに突っ込んどいて機会を失ったお酒。
1月出荷でもう11月なのでほぼ1年近くの熟成、温度設定的には5度程度。
正直少し味見するだけで記事にはする気なかったんだけどなかなか良くて記事にせざるを得ない。







ややビネガー調の酸味に、洋酒っぽいような深いコクと、ある程度の甘み。
例えばなんか仙禽とかああいう生もとみたいなものを凄く上手に寝かせた感が少しある。

生酒なんですが、嫌みは無くて、むしろびっくりするくらい綺麗に、かといって味が飛ぶわけでもなく、深みが出つつ落ち着いてますね。
山田錦っぽいような(たしか山田錦じゃなくてレア酒米だったはず)しなやかな筋肉を思わせるような味わい、エキスがじわじわじわと。
強くはないですがビッとミネラル感もあるお酒なので少し苦いのかなーと最初は思ったけど、開けて来て温度がいい具合になれば問題ないですね。

しっかし生で雑に寝かせてこれはポテンシャルしか感じないな。
普通に進むわ、焼酎とか飲んでる場合じゃねえ。
そういえば同じ蔵の名刀正宗もうまかったもんな、熟成はハマる蔵なんだ。

軽い熟成感が絶妙すぎて陶酔できる。
つるっとクリアーなくらい酸が出てるのはでちゃったのか、それとも元からだったのか振り返る余裕は今日はちょっとないけど。
少しハーバルで野趣のあるニュアンス、あるいはやや硬質なお米の味わい。
寝かせ方で全然まだ育っていきそうだし、そもそも生というね。
火入だったら本当にまだまだだろう。

洋酒洋酒いってるのはちょっとブドウ系の香りがいきてんのかな。
いやほんと蜜っぽい甘みも感じるし、やや重厚というかやや低音な感じで深み、艶、ふくらみ。
それが軽いわけではなく、深く溶け込んだミルキーさだったり、そっけないんだけどしっかりエネルギー感のあるエキス感からのキレ感。
雑に言えばひっくるめての凝縮感と熟成の深み艶ということになるのか。
うーんこの辺の感覚は行きすぎるとオーオタみたいになるのかあ……。


お燗。
やはり少し熟成の加減なのか酸味が出るんですが、温めた分しっかりと甘みも感じる。
熱くつけても温めでも問題ない。
糖っぽいペタッと感(俺は嫌いじゃない)もありつつ、何とも言えない洋酒系のニュアンス。
うーんまあカカオっぽいとかそういうことに何のかな、結局熟成のニュアンスなんだろうけどエレガントというような。

再度、熱くつけて。
香りはほっこり感がはっきり。
熱燗いいなこれ、酸も出るけど、甘みとか味わいとかも軽く感じられて。
それがスカッと酔い覚め良さそうな感覚で抜けるというか。
残る甘み旨味なんかも良い!
熟成香も微細に出るようで、それが優しくふんわり熟れたブドウの糖のようでもある。
あるいは炊いたお米の甘みなのか。
柑橘やハーバルみも良いね。
ぬるくても良いんだけど酸味が出てきちゃって、かなり熱いのが楽しいので、そこまでつけて冷ましていってみてください。


いやほんとこれ良いな。
申し訳ないけどちょっと残飯整理みたいな感じで、味見だけしとこうかってとこだったんだけど、やられたわ。
熟成なんかは向き不向きや加減の難しさがあるとはいえ、やっぱり飲んだ感覚は裏切らないということでしょうか。
もちろん裏切られることも多いんですが。
マイナーな銘柄を探してる酒屋さん、狙いどこでしょこれは。
都内で扱ってるとこも増えてなきゃ1店舗しかなくて久しく行ってないけど、なんかないか探しに行ってみようなあと思いました。

いや、ここは本当にポテンシャルのある蔵ですよ。
生、1年、適当な自家熟成でここまでいい具合にイケるってなかなかない。
それも新酒の時から旨かったし。


4日目。
ここまでくると逆にネガティブな要素も出てくるのだが、その分色々感じ取れるな。
生熟的なムレ感、ビネガーっぽい酸もあるんだが、生で氷温でもなく1年近く熟成した割には小さい。
少し渋みやビターのあるような紅茶感に、ほんの少しマスカットっぽいようなニュアンスでサラッと程よく練れた熟成の甘み。
周辺部は基本的にクリアー。
次第にミルキーな甘みも出て来て、これが酸味なんかとつながってくると洋酒っぽさに。
また芯にじっとドライさ、これもつながってるよね、最後はドライからハーバル、野趣。
グレープフルーツ。

この状態で冷やしたらあれだけど、常温に近いとこならむしろ魅力たっぷり。
4日目の1年熟成の生でこれってなかなか無いよ。
やっぱりかなり力のあるお酒なんでしょうねえ。
ほーら酒屋の人、これ仕入れて来いよほんと。

逆にこの後に天明の坂下山田2年熟成なんか飲むと本当に違いが良くわかる。
ほんのり熟れ感もありつつ酸味の繊細さ、甘みの強さなど開けてるタイミングが違うのもあるが、たぶん純粋にくらべれば正直天明のほうに軍配があがる。
ただ天明のほうはー7度で熟成するような設備とノウハウ、こういうのを狙っていけるような審美眼があって。
適当にやってて生熟で通じる分幾があるところとか、やっぱポテンシャルを感じますよね~。
















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Comments 2

みりん

白鷺の城も20年以上前から良い酒を出していて、個人的にはずっと好きな蔵なのですが、知名度はなかなか上がらないですね。
この野条穂のお酒は私もとても好きなお酒ですが、一年の自家熟成ではもちろん飲んだ事が有りません。
野条穂は栽培量が少なくて製造量が上げられないんですと聞いたことが有りますが、今でも少ないのでしょうね。どこかもう一蔵だけこの酒米を使用していた蔵が有ったかと思いますが・・・奥丹波じゃなかったかな? まあ、この“喜縁”の方が好みでしたので、味は覚えていませんが(;^_^A
この蔵ですと亀の甲“弐拾弐”も好みです。寿亀“神韻”なんかは精米歩合の低いお酒の先駆者位じゃなかったかと思いますが、宣伝が上手じゃないのか今でもあまり知られていないように思います。こういう商売上手じゃない所も好きなんですが(^^)

  • 2019/11/23 (Sat) 14:08
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日誌係
日誌係
Re: みりんさん



このお酒は凄く良いですよね~今年初めて飲んでびっくりしました。
熟成はたまたまだったのですが、生にもかかわらずまったく問題ない出来でした。

地元関西では取り扱いがあるのかもしれませんが、関東では本当に少なくて……。
酒販店が1店しかなくて、そこもフルラインナップでそろうような大きいお店ではないのが残念です。
なので商品も何があるのかよくわからないんですよね~。

なんとか頑張って売ってほしいものです。





  • 2019/11/25 (Mon) 13:59
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