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日本酒感想日誌

ナナツモリ2013 ドメーヌ・タカヒコ

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どんなもんなのか一回飲んでみたかったナナツモリ。

ドメーヌ・タカヒコは北海道余市町の、曽我貴彦さんが運営するドメーヌです。
苗字を見ればわかるかもしれませんが、日本酒ファンにもなじみのある小布施ワイナリーの曽我彰彦さんの実弟ということになります。
詳しいことはご存知の方も多いので割愛するとして、ビオでピノ・ノワールにこだわってやっていて、日本にピノではおそらく一番有名でかつ入手も困難です。
先日はこの手のワインの売り文句としてよく出てくるコペンハーゲンのレストランNOMAにオンリストされたなんて話題もありました。

ナナツモリはトップキュヴェ。
先日ふと酒屋で見かけて抱きだったけどいい機会だし買ってきました。
1本だと4000円くらいかな。





抜栓1時間からスタート。
外観は薄く澄んでいます。もちろん段々と濁ってくるわけですが、薄めの色調なのは間違いない。
香りはどうなんだろうな~香り高いという感じはしない。少し自然派っぽい揮発感のあるような酸味を感じつつ少し円く穏やかに仄かに何かのニュアンスがあるかな~と。

含むと面白い!
美味しいと思うかどうかは別として、明らかに違う、きらりと光るものがあります。
ちょっとびっくりしました。

土っぽいようなニュアンスに個性があり、香ばしさ少しキノコのような感じ、さらに和紅茶のようなニュアンスで少し華やかさも感じます。
なんとなくマツタケといわれるのはわかるような気がします。
味が強いタイプではないですが、しっとりしたタッチから淡い中の深さと、澄んだピアノの音色のような雰囲気があり、一口含んでこれはモノが違うなという感じはします。

出汁のような感じああるとよく言われて確かにそうなんですが、エキス的というよりは香りが香ばしいとかそんな感じを受けます。
もちろん多少のエキス感はあり、優しく静かに染みていくのですが、出汁といわれるとちょっと違う。出汁と会うのかもしれないけどね。

それよりも個人的には酸味の質感が凄く良いなと感じました。
穏やかで優しく、日本の森中にある湖の湖面のように味わいが広がる中で、酸味がワントーン高くピッと入るんですけど、それが物凄く全体をうまくまとめているんですよね。
それも全体のしっとりしたいい具合のタッチを損ねないでね、本当によくキマってる。

適度に円みがあるのは熟成なのか。
抽出が適切で、薄旨系ではあるんですが、薄さを感じかといって酵母っぽいエキスっぽさが強いという感じでもない。
シルキーというのが妥当なのかなあ、ウケのいいタイプのブルの味わいや香りの強さにはどうあがいてもならないだろうけど、少し枯れた様な独特のニュアンスとかはかなり良い。

少しオレンジっぽいような温かみを感じさせる酸に、強くはないんだけどタンニン感とか程よいキレ感みたいなもの。
極仄かに甘くバニラリーなんかもありつつ、きちんとブドウの熟れも感じ取れる。
フィニッシュ後の余韻にややオーキーな感じのが強く残るのだけがあまり好きではないかな。
全房なのかな、っぽい感じだけど。



これはお見事、参りました。
4000円で買えるならこれはかなり秀逸で、しかも作品性があります。
もしかしたらもっと本場っぽいピノも日本であるのかもしれないけど、これは確かに感性を揺さぶられるワインですね、普通に飲んで美味いし。
自然派系でもっとどうしようもないヤツ、フランスのでもありますよきっと。

薄くないですよね、薄ウマとかよく言う人いるけど、薄ウマにもいろいろあって。
例えばフランスの物でもよくわからない酸味が立ってるばっかりのチグハグな自然派系とかもあるけど。
ビオっぽさも活かしつつ、薄いのも逆手にとってうまく表現しててる。
きちんとエキスっぽいとこから旨味も甘みも妖艶さも感じられて、違うところもたくさんあるけど、確かに良いブルゴーニュのワインに通じるとこもある。
少し瑞々しいのかなあ。
もう少し寝かせたらどうなるんだろう。
まだ全然寝かせて平気、早飲みしてももったいないでしょコレ。

ビオっぽさとか日本っぽさとかもあるんだろうけど、普通によくできたピノ。
ヘボい生産者のショボ1erくらいあるんじゃねーの、1万くらいでさ安いなとかいって買って甘みたんねーなとか言うやつ。

香ばしさもあるけど、きちんと小ぶりにキュートなベリー系とか、大輪とまではいかなくてもちょっとしたローズやスミレもある。
薄めに仄かに黒系もあり、クローブとかスバイスも淡く繊細だ。
確かにスーッとではなくて、少しミントなんかも溶けていたり。
あえて言えば少しお漬物のようなニュアンス、ウッディはやや湿度を感じ実家の箪笥か。


ある程度薄いのは日本だからしょうがないという上で、別に薄くないだろうコレは。
梅とか出汁とかやたら自然派っぽいコメント出してるやつもちょっと味覚障害、本質はそこにない。
僕もわかりやすい享楽的なワインも好きだけど、それをやっても勝負にならんし日本らしさということで、この形になったんだろうがこの形をつくったのは凄いよ。
ピノとして本当に劣ってなくて正統派で、変にビオ系気取った本場にピノよりよっぽど正統派のピノやってると思う。


これは結構すごい、びっくりした、誇らしい日本のワイン。
これ4000円で売るってのが日本人らしくて、今すぐ1万円に値上げしよう。
その金でもっと造るなり、寝かせて飲み頃の状態で出荷してくれればいい。
かといってこれに2万3万出すのはおかしい話。

あとは何でしょうね。
これを飲んで過度の日本ワインもうまい!とかいうのもちょっと違う気がする。
けなしすぎるのもれだけど。
あくまでも本流は向こうで、敬意を表すなら向こうのはきちんと飲まないと。


あー美味いっすね。
開いてきたころもあるし、立ててたこともあるのだが、下半分のが美味い。
ふわっと柔らかくて優しい、でもきちんとミネラリーで塩気みたいなのもある。
程よいエキス感やタンニンも甘やかで、少しだけ独特のニュアンスがという感じ。
良い自然派っぽい温かみのある酸味も秀逸。
もうここまでくれば薄いとか言っているヤツはただの味覚障害だが、当然若干のクセも出てくる。
香りはぐんとよくなって、柔らかく瑞々しく仄かに甘やかな、日本酒でいえばよーくできた静岡のお酒みたいな。
俺も最近飲んでないけど。

僕ワイン党じゃないんで数万しても進まない時もあるけど、これは進むよ。
シャーヴのエルミタージュ2002より進んだりするから困るw
開けて3時間、どんどん香りはピノらしくなってくるなあ。

















2 Comments

ワイン好き says...""
はじめまして。
ワインをよく飲んでいるのですが、最近少し日本酒も飲み出してこちらにたどり着きました。
お酒に真剣に向き合われていて勉強になります。

ワインも飲まれているようなので、最近飲んだものも含めて個人的におすすめなものを書いておきます。
興味があればお試しください。
・ロンコ・セヴェロ ピノ・グリージョ 2016
→自然派の良い部分だけを取り出したような味わいで結構良いと思いました。

・カリフォルニアのピノ・ノワール(銘柄を限定するのであればオクシデンタルのフリーストーン)
→ブルゴーニュのピノを色々飲まれているようですが、カリフォルニアのピノは華やかでブルゴーニュとはまた違った良さがあるので一度飲んでみても良いかなと思います。
2020.08.01 00:20 | URL | #- [edit]
日誌係 says..."Re: ワイン好きさん"

はじめまして、コメントありがとうございます!
褒められると照れてしまいます。
酔っ払いの戯言ですが、なにかの参考になれば幸いです。

ワインのおすすめは超歓迎です!!
必ず試してみます。
なにせワインの世界は広大で追いつかないもので……本当にありがとうございます!

2020.08.01 20:42 | URL | #- [edit]

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