FC2ブログ

日本酒感想日誌

【1425】石鎚 純米吟醸 山田錦50 2019BY

  2   0


石鎚は派手なお酒ではないですが僕はわりとお気に入りの銘柄で、いろいろな酒屋さんで取り扱いがあるので皆さんもよく知っていると思います。

愛媛と言えば松山に今治、八幡浜や宇和島も、大洲や内子だってあるのですが、今回わざわざ何もない西条市に宿泊してきました。
それはなんといっても『うちぬき』の水を飲んでみたかったからです。
この地域は鉄パイプをたった15~30メートル打ち込んだだけで地下水がドバドバ自噴してくるという奇跡的なエリアで、どの家もそれで水を賄えるから上水道の整備が無いという、とんでもなく水に恵まれた土地です。
またこの水がそのまま飲める、それもおいしい水全国大会で日本一になるレベルの良質な地下水で、それが垂れ流し状態なもんだから本当に凄いです。

味もけっこう変わっていて、前半はまったりぽっちゃり円やかに来るんだけど、終盤はシュッとしてるというか痩せているようなイメージ。
クリアーさはあるがミネラル感とかキリっと感はあまり感じずに美味しいけど少し変わってるなと。
石鎚も当然これに近い水を仕込みに使用しているはずであり、実際に飲むとかなり味わい的に通じるものがあって、有意義な体験ができました。

まともな酒屋がないんで難儀しましたが、駅前の観光センターで出荷からそう経過してないスタンダードな商品が売っていて助かった。
山田錦50の火入で袋吊りとかでもない一番スタンダードな奴。
何年か前にラベルリニューアルしたものですね。






仄かにメロン系というか瓜系と、少しブドウ、セメもあるんだろうなというところ。
それがふわっと広がる中で中心にあるのは高めの酸、その他の味わいは抑えめ。
含んだ時のふわっとした滑らかさが異次元。
味わいは強くはないんだけど液体の広がりみたいなものがうちぬきっぽい。
そして後半も、苦いんじゃなくてちょっとそっけなく良くも悪くも痩せた様な味わいなんかまさに。
ただしお酒のほうはその中で少し芯にドライというかパウダリーめに、旨味も残しつつキレをつくる。


危ない、水感覚で飲み過ぎてしまうド危険なお酒。
味わいの展開がもの凄く魅力的で、何かのクラシック曲の小品を思わせるような展開、流麗さといったらいいか。
香りがあり、酸味が舌の先に来て、これ結構来るんだけど尖ってない。
そこから舌の中心から脇へ流れ落ちるような感じで柔らかく滑らかで、するっと馴染みます。
その中で仄かな甘やかさを感じさせつつ、軽く渋みがあるのが、薄いブドウの皮みたいな?
適度な余韻もあって文句なし。

酸味がビビッドに出るとこもある、冷やせば。
それでも丸みのあるスッキリ感みたいなテクスチャはまさにうちぬき水。
そしてそれにプラスしていい意味で少しタニックなようなニュアンスや骨格とかがあるから最高。
飲み心地が良く、味わいもいい。

これは美味いですね。
あらためて参りました。
レギュラーな火入れで割とどこでもいつでも売ってるけどね、これは美味いよ。
山田錦50だから妥当だけど、スタンダード品としては少し高い4合2000円くらい。
派手でもないスタンダードなキュヴェを少し高めで売ることに自信を感じるし、でもその価値が十二分にある。






2 Comments

kt says...""
最近、石鎚飲んでないなぁ…と、この日誌を見て思い出しました。
石鎚は基本火入れ、という認識なのですが(間違ってたらごめんなさい)、生酒好きなせいか、どうも後回しにしてしまう事が多くて…。
そんな状態ですが、春酒と夏酒は石鎚がお気に入りでもあるのです。春酒の何とも言えない甘味。夏酒(夏吟醸ですね)の、暑い夏にキンキンに冷やして飲みたいリンゴの様な爽やかさ。
まさしく、完全な火入れらしく、一回火入れの様なピチピチとしたフレッシュさとはまた違った美味さを感じさせてくれる。安定感があるのに、何故かたまらなくあの美味さを欲する時があるのです。石鎚と言うのは、そう言うお酒だと思います。
その根底に流れているのは、水の良さと言う地酒ならではのルーツと言う事ですか…。う~ん、その水飲んでみたいなぁ…おいそれと行けないのが歯がゆいですが。

石鎚は、むしろ東京の酒屋の方が買いやすいのかなぁ?地元の酒屋で難儀したというくらいだと、県外に向けた方が主力なんでしょうか?そういう意味で言えば、東京で石鎚を買える環境にある事に、もっと感謝しないといけないですね。
2020.08.23 03:15 | URL | #IQn4OT2I [edit]
日誌係 says..."Re: ktさん"

石鎚って地味なんですよねw
火入れメインだし、愛山で派手なラベルで~なんてキャッチーなことやらないし、東京だと割とどこでも売ってるし。
後回しになってしまう気持ちよーくわかります。

おっしゃる通り夏に飲むのなんか最高です。
これも酸味があって爽やかで、クオリティの高さにやられてしまいました。

ワインは発酵のときに水って入れないんですけど、日本酒ってもう水が8割とかじゃないですか。
味わいは出そうと思えば出せますけど、それよりも一見わかりにくいキャラクターとかテクスチャーみたいなものって水の影響が大きい気がしていて、もっとほかのお酒でも仕込み水と飲み比べてみたいですね。

このうちぬき水ってのは冷たくてそのまま飲める美味しい水が市中にじゃぶじゃぶ湧いていて凄いです。
なにもないところなので通りかかって水を飲む、くらいでちょうどいいのですがなかなか面白いですよ。




2020.08.24 11:59 | URL | #- [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:https://osakasj.blog.fc2.com/tb.php/3571-6a68961d