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日本酒感想日誌

【1447】龍力 純米大吟醸 米のささやき 秋津 生酒 2019BY

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というわけで龍力のフラッグシップ、秋津の生ver.です。
秋津は通常3年以上寝かせて出す(もちろん火入れ)というような商品で、ともすると3年でも若かったりするくらいのお酒なのですが、今年の生酒ということでどうなっているのか楽しみです。





なるほど、こういう風な構成になるのか。

たしかに酸味から少しオレンジのような印象がありますね。
そこにこの時期の生酒ということでほんのりとした熟成感で味わいをつけています。
軽く餡子的な甘みもありつつも、もちろんクリアーさは担保されており、比較的ハッキリキッパリした酸味へとシームレスにつながり深い響きを見せ、後はお決まりのキレなんですが。

驚いたのはそのキレ、あるいはミネラリーさ、ストラクチャのようなものの鮮烈さ?
やや鉱物的、金属的なくらいの収斂性もありつつ、最初はスプラッシュのように、次第に重厚にはっきりと激しく、ともすれば少し苦いくらいだが、これが良いお酒の味ということだ。
まあ酸味もそうなんだけど、やっぱり元のお酒の時点でこれくらいじゃないとあれくらいの熟成感にならないよね。

あくまで火入れの5年後とかにピークのあるお酒なのでここがゴールでは全くもってないのですが、なかなか示唆に富んだ貴重な体験になりました。
生ということもあるんでしょうが、これまで東条⇔吉川で感じていた僕の感覚でいうと東条のほうはシュパッとしつつもやや軽快というような印象があったのですが、さすがに秋津ということなのか懐というのか適切な土壌の厚みのようなものも感じます。

この辺は物凄く微妙なんだけど、生の味の乗りなのか、土壌の味の乗りなのか。キレ感はハッキリ出てるだけにまだ少し折り合わなさは感じるかもしれない、ほんの少し。
生で今をピークに作りこむなら、もう少しスッキリ、ワインでいう標高の高さとか斜面を感じるような味わいのほうがいいかなあと思うけど、まあそれはここがゴールじゃないので。
その辺の検証は欲しいな、標高とか斜面の確度、南向き東向きとかね。
会津娘なんかはそれに近い言及があって、風のヌケとかそんな。あーもうすぐリリースの渡船のテロワールもそのあたりでは興味深いし今年も飲みたいな。

しかしさすがのポテンシャルだな。
この酸からのオレンジのような柑橘のイメージと、ミネラル感の発露のエネルギッシュさ。やはり素晴らしものがあるね。またやはり生でもこれくらいピントが合ってるよね~少し熟成感のあるミルキーさもあるんだけどクリアーで深く響く。

このキレ感&苦みというのは龍力のお亡くなりになった会長の研究によるとマグネシウムの影響があるそうですが、いわゆる社方面が10mg台/100gなのに対し東条は32mg/100g、吉川は52mg/100gとかなり顕著な差が出ており、このあたりが特Aの特Aたる所以なんでしょう。
スメクタイトという粘土鉱物との関連性やCEC(土壌の保肥力)などとの関連性がや窒素の含有量の違いなども指摘されているそうです。
そしてこのあたりが、熟成を経たときに味覚としては溶け込んで特別目立つような感じもないのが興味深い。

このあたりが僕がこの数年重視している、キレ感やミネラル感、それも従来の表現でいえば辛味になっちゃうんですけど、その辺が成分にすればこのあたりってことなんでしょうね。
たんに辛味や苦みというだけではなくて、ストラクチャとかそういうところにも寄与していて、例えばこの構造というか飛沫の立ち上がりが全体に緊張感をもたらしたり、味に立体感を与えたり、逆に甘さを舞い上がらせて引き立てたりね。
こういうことを認識している蔵や飲み手がどれくらいいるのか。(少なくとも十四代は濃い甘みの中にこういう感覚をきちんと活かしていると思う)。日本酒の香り10種類を学ぼう!とかそんなのはどうでもよくてもっと真髄に迫るような審美眼が大事だと思うの。





2 Comments

龍力大好き says...""
とあるお店で生酒を出していましたが、その時はカクテルグラスのショートで出てきましたね。
秋津は飲む器によっても微妙に違うのでカクテルグラスは新鮮でした。
秋津もそうですが、基本的に龍力は苦味というかミネラルのキレは意識しているように感じます。無濾過生原酒の山田錦とかの基本設計だなと感じますし。秋津はその時の米の出来とタンク違いでも結構違いが出るので、面白いお酒だなと感じますね。とある酒屋さんが自分で直接搾りに行くタンクが龍力にありますが、それと同スペックのはずの荒走りも全然味が違いますし、秋津も生と言っても多分日誌さんが飲んだ生と私が飲んだ生は違うところは違うなと感じる今回の記事ですね。

今年も実は特a地区の兵庫県三木市吉川町にある山田錦の郷を見に行きましたが、酷暑にも関わらず、良い稲穂が育っていました。丁度刈り取る直前に行けたので、辺り一面黄金の田圃の風景は絶景でした。ついでに同地区では葡萄も盛んに栽培しているので、シャインマスカットとワイン用にも使われるベリーaとかも売っていましたが美味しかったですよ。
今年は龍力の契約田圃の稲刈りが二週間ほど早かったのですが、今年仕込んだ酒は台風が直接当たっていないので良い感じになる予感がしますね。

そういえば、今西武池袋で龍力来ていますね。一応限定のドラゴン青生が限定商品らしいですよ
2020.10.15 21:29 | URL | #- [edit]
日誌係 says..."Re: 龍力大好きさん"

高いこともあるでしょうが、存在感のあるお酒なのでそういった提供方法も映えますね、

畑違いの商品なんかみてもその時によってかなり印象は異なる気がします。
ただ基本的なところは外さないしらしさがあるので龍力はいいなあと改めて思いました。


いいですね~。
毎回言ってますが、あのあたりは一度散策してみたいです。
山田錦の出来がいいことを祈ります。

2020.10.17 22:35 | URL | #- [edit]

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