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日本酒感想日誌

【1489】阿武の鶴 三好の冬 純米吟醸 おりがらみ 2020BY

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阿武の鶴は前に1回飲んだことがあったよな。
たしかまだ東洋美人の澄川さんのところで間借りしてみたいな感じだったけど。

山田錦50のおりがらみ。
おりがらみというよりうすにごりくらい?
1升限定で500本とかそこそこ珍しいみたい、まだまだ小さい蔵だろうし。





攪拌して。

香るお酒じゃなくて、純粋な香りって言うと含んでみてもふわっと白粉のような、それくらいの香り。
ただし最初に甘みの溶けた酸味がはっきり出ますので、そこからフルーツな印象がきちんとあります。
ある程度のとろっとしたボディもあり、勢いよく流れるというよりはゆったり口内に広がるタイプ。
ほんの極小舌先にガスが溶けてるかくらい、輪郭はなんというが苦いとこまでいかないスマートさで整えられていて、スッとお行儀よく行ってくれるフィニッシュ。

美味しいと思いますよ。すごく良くできている。
酸味のとことかねかなり現代的というか2020の流行りも押さえつつ、正統派、優等生な造りというかね。
誰が飲んでも不満はないだろうし、よくできている。

最近の流行りなんでしょうね。
この2、3年くらいですか、さすがにバカの一つ覚えのカプエチボンバー&甘いお酒ってかなり減っていて、ともすれば絶滅危惧種。
んで5年前くらいと比べるとだいぶ増えているのは、酸味を出して爽やかさとか飲みやすさをというお酒。これが今の流行りなんでしょうね。
基本的にはやっぱり新政の影響か。いよいよ試しに注文してみたんですけど、光栄菊とかもそういう感じなんじゃないかなあ。
新政のとこが、この味わいをつくりたいというより、日本酒を残すために今の消費者に合わせるとこういう味わいになりますみたいなこと言ってたけど、これが受け入れやすい味わいなんだろう。少し悪く言うとカジュアルなワインのあたりに寄って行ってるみたいな。

そういう意味でいうとこれなんか本当に優等生で物凄くいい出来だろう。
香りは本当に抑えられてるし、酸味はかなり出ているけど、はんなりしっとり艶のある和っぽい感じで、きつくない。
甘みもあるので、イメージ的には少し梅酒とかそっち系みたいな。
タッチも柔らかくて粗くない。クリアーで嫌なノイズもない。
それでも心地よいスマートさで行ってくれるし、ほんとに上手。

うーん。
美味いんだろうなあ、スッとミネラリーな感じの匂い立つようなニュアンスもあるというかね。
とろっとしてともすると美味しいけど野暮ったい感じになりそうなところ、そういうところで縦の輪郭も造ってる。
これなんか雰囲気だけはかなり砥いだ名刀のキレもあるけど、味わいはやらかいから、そのあたり凄く良い。
先日飲んだささまさむねでも廣戸川でも良いんだけど、若い造り手が積極的にそういう要素にも気を配ってるんだろうなあという感じがして、やはりそれなりにレベルが上がってるんでしょうね。
甘いブームを消化して、それなりに昔のお酒にもちゃんと目を向け、今っぽさと併せてようやく落としどころがちゃんと醸成できてきた雰囲気を感じて感動しています。

一方ですげーっと感動するとか、来年もコレ絶対やるわって感じもないんだよね。
まあそこは俺の問題もあるので、いつまでも新しい感動ってそうあることでもないじゃないからしょうがないところもあるんだけろうけど。
意地悪く言うと小手先のレベルは上がっているんだけど、本質的なところで跪くような、あるいは2万3万5万10万とワインのようにレベルが上がっていく先が見えないというか。日本酒のそういうものってどこに感じるんだろうね。
このお酒で足りなくて挙げていけるとしたら解像度なのかな~。
いやもうほんと1升3000円のお酒としては煮詰まっていて、これくらいのレベルのお酒はわりと溢れてると。
この先必要なのはタンク10本仕込んだらそのうち9本は捨てていいから10倍取るとか、そういうれべるのことなんでしょうね。

その辺の僕のつまらない考察はさておいて、このお酒は良いと思いますよ。
前回も間借りでも良かったと思いますけどね。
そんな火入れで下半期に飲んで映えそうな気もしないけど、なにかもう1本くらい飲んでみたいです。

















2 Comments

みりん says...""
熱のこもった文章、色々と共感を覚えます。
どうも流行のスタイルは(カジュアル)ワインの下位互換に過ぎない感じがして、新政も含めて全く購入意欲がわきません。素晴らしい日本酒はワインと同等であると感じているのに、下位に収まるような商品を広めることは決して日本酒文化・和食文化に敬意を払っているわけでもなく、長期的にはプラスではないと思うので、もう少し日本酒らしい魅力を感じる商品を飲みたいと思っています。天穏(無窮天穏)は(ちょっと宗教的すぎる気はしますが)、その意味でもワインの軍門に下らない気概を感じるので、再評価した蔵として、もう少し色々と飲んでみたいと思っています。

そういえば、先週高島屋で龍力さんの試飲会をしていたので、色々と試飲させて頂き天神地祇を購入しましたが、しぼりたての生酒が本醸造も純米も、麹の馨しい風味が感じられるオールドスタイルに今年も仕上がっており、流行とは違うスタイルで良く出来ていました。
もしもそちらの高島屋で試飲会などあるようでしたら、天神地祇と本醸造の生酒は現在特にお勧めです。日本酒らしい味わいながら、良質なワインにも負けない文化的な味わいが感じられると個人的には思います。
2020.12.14 16:06 | URL | #- [edit]
日誌係 says..."Re: みりんさん"

お米から酸味を出すというのがどうも不自然に感じてしまうんですよね。
ブドウから酸を出すというのとはちょっと違うというか。
本当に良いワインを目指すなら良いんですが……。


天穏は僕もそこまで飲んでいないのでもう少し飲んでみたいですね。
龍力もそうで、普通の商品に目が行きにくいので、本醸造をおすすめというのはありがたいです。
2020.12.14 20:24 | URL | #- [edit]

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