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日本酒感想日誌

【1490】松の司 大吟醸 しずく 仕込42号 2019BY 

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しずくシリーズ、ぼやっとしてたら今年も随分買い逃してしまいました。
このシリーズは実験的な要素も強くてマニア向けなので、そんなに意地になって買い集めるほどでもなくてね。
それよりもアゾラ35のほうを何本か買って寝かせておきたい。

前回仕込み水が違うものをやったので、それに合わせてまた水違いのもので、これは京都愛宕山の伏流水を使用しているそうです。
出品用の大吟醸なんだそうですが、そのため18号酵母になっています。






うおっウメエな!!
テクスチャさらっと軽い。めちゃくちゃ違う。
メロンとかブドウとかの雰囲気でかなり密度のある甘みもあるんですが、とにかくサラッと気持ちよく溶けます。

香りもあるはあるんですがやや抑制、淡く優しいメローめ。
酸もいい塩梅に少し入って、キレ感ミネラル感はしゃらーんと溶けているというか、涼やか、清楚。
極甘いブドウをかじったようなジューシーさもあるが、抜けのエアリーさがヤバい。それでいてこの構成としては必要十分にミネラルっぽさもフィニッシュ際で出る。

うーんこれは美味いね。かなり驚いた。
あくまでも大好きな松の司節も効いてるとはいえ、18号大吟醸では出色の出来。。これ以上となるともっとふわっと繊細さになるんだろうけど、松の司自体が少しそことは違うからな。
さすが松の司というところもあるんだけど、水でここまで違うのか?
正直香り系の大吟醸となると、これはめちゃくちゃ好きだ、レギュラーの水と比べてもそうだし隆兵そばのものと比べても全然違う。
まさか9号の隆兵そばより、18号のこれが好きとは思わなかった。もちろんその日の気分もあるんだけど。


使いこなせるところが水を吟味するとここまで違うのか。
正直この水で毎年1本仕込んでほしいレベル。
こうなると仮に日本酒が金取れる世界線なら、ワインの醸造に良い土地を開墾してブドウを育てるように、良い水を探してそこ蔵を建てるだろうね。
九平次だっけ、長野からはるばる仕込み水持ってきてんのって。本当に一番いいのはそこに蔵建てて洗米なり洗浄ありすべてその水で賄えるのが良いんだろけど。
その辺やっぱ九平次はすげえなってとこがあるんですよ。九平次がどの程度までその水を使ってるのか知りませんが。

さらっと軽いし、絶妙に酸の差し込みや明るさはあるが、ふわっと緩め?
そこに潤いがあってフルーツ部分に寄与しつつ、一方で適度にこの時期のほんのり餡子っぽいような優しい味わいもある。
そこにきちんとサラッとパウダリーみたいな感じがあるんだけど、それも肩の力が抜けてるようで優しく、それでいて主張は通す。

すごいね~。
そりゃそうなんだよな。日本酒は水が8割だし。だからこそ灘だの伏見だの言われてたわけですから。
忘れがちなんだけど、ワインの醸造には水ぶっこんだりしないからね、フルーツの水分だけ。
こうなると、例えば米の品種だとか、酵母だとかと同じように、水についての表記が必要だよ。
こういうとこがプロが何十年もやっててろくな積み重ねもないし、最低限そういうとこに行きついてる蔵が数えるほどってのが終わってるんだよ日本酒界。
そういうのを土を舐めて、宗教的なシリアスさに基づいて1000年やってるのがワインだからな~でもその知識があるわけなんだからそこは10分の1、100分の1に短縮できるはずなんだよ。
とりあえず国立大学のどっかが醸造学部とか設置しねえ?








6 Comments

みりん says...""
日誌係さんが絶賛していると、1801号酵母でも良かったのだろうなと思ってしまいます(^^)

今回の水の話ですが、私もそう思います。
日誌係さんの記事に登場する蔵だけでなく、他にも良水を他の地域から運んでいる蔵の話も聞きますし、富山の幻の瀧は、名水百選にも選定された非常に良い水を醸造に関わる全ての工程で使われていることに誇りをもっておられました。幻の瀧の蔵は、現在のマニアックな岩瀬蔵元が商品設計に関わるようになってから、巌瀬(いわせ)の二年熟成の純米吟醸等、高品質で興味深い商品が見られるようになって、毎年楽しみにしているのですが、新型コロナの影響で今年はまだ味を確認出来ておらず、ちょっと残念です。

最後の一文ですが、私自身も科学的な知見で日本酒醸造を掘り下げて研究して後世に貢献したいと思って大学(・大学院)へ進んだのですが、醸造系は既に先端科学でアカデミックに研究するような分野ではないという環境になってしまっていて、醸造学の方向へ直接は進めなかった悔しい思い出があります。ワインの方を見ても解るように、まだまだ明らかにしていかなければならない事柄は微生物学・生物学的方面のみならず、無機化学や有機化学的方面等多岐に渡りますので、いつの日か志の高い学生がそうした専門分野を網羅する醸造分野に進めるようになって欲しいです。願わくば東大農学部で実現してくれると個人的にも嬉しいのですが・・・。
2020.12.15 03:58 | URL | #- [edit]
日誌係 says..."Re: みりんさん"

松の司はいつも飲んでいるだけに、今回は水でここまで違うかとびっくりしました。

幻の瀧ですか……正直昔の酒というイメージがあり飲んだことがありません。
飲んでみないといけませんね。

そしてみりんさんにそんな過去があったとは驚きました。
なるほどですね~現象的には発見ってのはもうないですから、そんなことにやっても意味ないということですか。
逆に日本酒を(あるいはワインを)文化と考えたら、文学部がたくさんあるように醸造学科がたくさんあっても良いんですけどね。
もやしもんという漫画のおかげで東農大の醸造科学科の知名度が凄くあるので、国立大がやったらインパクトがあると思いますし、独立行政法人になった今はやろうと思えばやりやすいはずんですけどね~。



2020.12.16 15:19 | URL | #- [edit]
みりん says..."To 日誌係さん"
幻の瀧、奇遇にも試飲販売に来られていたので、色々と試飲させてもらってきました。興味深く良い商品はあったのですが、コロナの影響かタイミング的に少しずれてしまったような熟成状態の物も幾つかあり、味わいと価格とには必ずしも正の相関があるとは感じられず、いつもながら難しいと感じました。
昨日はたまたまのタイミングで、別に買った物でバッグが一杯でしたので、週末に改めて買いに行きますが、先日の天神地祇と言い、高島屋のオリジナル商品の品質の高さに改めて関心して、もう少し高島屋へも足を運ばねばと思ったりしました(笑)

>逆に日本酒を(あるいはワインを)文化と考えたら、文学部がたくさんあるように醸造学科がたくさんあっても良いんですけどね。

この発想はありませんでしたが、本当にそうですね!
セールストーク用に浅薄な知識だけで安易に醸造や醗酵の言葉を使われていることが多くて個人的には辟易していますが、先人の知恵や知見に敬意を払って、色々な角度から学術的にも若い感性でも様々に掘り下げてもらえる世の中が来たら本当に嬉しいです。


来週、松の司のしずくシリーズの愛山を飲んでみようと思い、まずは5か月前にややイマイチだと感じた磯自慢の今年の大吟・愛山をその前の前座として開けてみましたが、5か月間のワインセラー熟成が功を奏したのか、味わいが非常に良くなっていて、妻と二人で吃驚しました。そもそも愛山のお酒は一般市場では後発なので、まだまだ知りえない魅力があるのかもしれないな・・・と、久しぶりにちょっと嬉しい誤算でした。
コロナの渦中ですが相変わらず体調は良いので、松の司のしずく・愛山を飲んだら、またコメントとして報告させて頂きたいと思います。
2020.12.17 02:47 | URL | #- [edit]
日誌係 says..."Re: みりんさん"


ほうほう、いずれにせよ幻の瀧はチェックしてみないといけませんね。

何だかんだデパートのバイヤーはプロなんだなあと思いますよ。
僕なんかは伊勢丹が有磯曙や白鷺の城、初日の出なんかを連れてきてるのは凄いなーと思いました。
高島屋だと、春心や惣誉なんかは他で入手しにくいのですが、良い銘柄置いてるなあと思います。

磯自慢の上は若いですよね。
秋津のブルーはまだリリース直後でも飲めるのですが、愛山の中取りは若すぎてどうもなりませんでしたよ。
あそこここそ熟成の商品を出してほしいと思いますね。



2020.12.18 22:01 | URL | #- [edit]
みりん says..."To 日誌係さん"
まずは、松の司への興味を強く引いていただいて本当に有り難うございました。

先週からの予定通りに、最初に愛山の35%の純大を開けてみましたが、磯自慢とは異なる表現型ながら、明らかにその先の上質さを感じる出来映えで非常に味わいが良く、妻共々「こういう事ができるのか・・・」と、過去に十四代や磯自慢で極上だと感じたゴージャスで品のある味わいとは別の厚みのある透明感を湛えたふくらみのある綺麗な味わいに感嘆しました。
が、こう美味しいともう一本を比較で飲んでみたいのがお酒好きの悲しい性で、山田錦の30%の大吟のしずくの方(協会901酵母)も開けてみたところ、こちらも古き良き大吟のような輪郭の美しい佇まいと現代風のやや糖質のある味わいに興味を惹かれ、二本を比べ飲みしながら、いつもよりも飲み過ぎました(;^_^A

妻は文字通り飲み過ぎてしまって早々に眠ってしまいましたが、私は少し酔いながらも早速にでも感謝のご報告をと、今書いています(^^ゞ

因みに、山田錦の精米歩合30%の方は、少しの残糖は気になるのですが、低温(0℃~-5℃程度)の数年~10年の熟成で味わいが更に向上するように思われました。

来年はこのしずくシリーズももう少し買おうかと今から考え中です。鬼は笑うかもしれませんが(笑)
2020.12.22 02:00 | URL | #- [edit]
日誌係 says..."Re: To みりんさん"

喜んでくださり何よりです!
ちなみに松の司の現杜氏は磯自慢が好きだそうですよ。

現在愛山のレギュラー商品がないことが残念ですよね。
昨年おおよそ同種のお酒を飲んだのですが、やはり愛山の出来が良かったので。
はせがわ酒店限定でかなり高価ですが愛山の商品があるので、僕もまた飲んでみたいところです。

他の酒にしろかなり注目の造り手なのはわかって頂けるかなと。
まだ比較的若い杜氏でここまで感覚が行き届いていて、かつそれなりの資本のある蔵のバックアンプ環境が整っている蔵はそうそうないと思います。

ぜひ今後ともご愛顧ください(笑)
いまのじきでいらば純米吟醸あらばしりが毎年かなりいい出来です。



2020.12.22 21:30 | URL | #- [edit]

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